パウエルFRB議長、雇用や金利の見通しに「楽観的な不透明感」残す

  • 金利の中立的な水準や、雇用情勢の過熱の程度に確信ある見方示さず
  • 声明でフォワードガイダンス削除、来年1月から毎回記者会見へ

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は13日、米金融政策を巡る謎の一部については市場関係者に有意義な答えを示した一方、より大きな問題については市場関係者を引き続き困惑させた。

  連邦公開市場委員会(FOMC)は6月の会合で利上げを決め、年内あと今年2回の利上げを示唆した。さらにパウエル議長は、FOMC終了後の記者会見を現行の1回おきではなく、毎回行う形に来年1月から変えると発表した。

  しかし、1つのテーマがこの日を支配したのだとしたら、それは楽観的な不透明感だ。失業率は低く、インフレは安定しており、連邦準備制度は利上げの道筋に沿って進んでいるため、政策当局者は心地良い状態にある。その一方で、金利の中立的な水準がどこにあるかや、雇用情勢の過熱の程度については確信を持っていない。

  政策決定に先立ちパウエル議長が答える可能性のある大きな質問について予測した記事を振り返り、議長の実際の発言と市場関係者に残された疑問について以下にまとめた。

1.雇用情勢の過熱の程度は?

  FOMCは今年の失業率の見通しを3.6%と、3月時点の3.8%から下方修正。2019年と20年の予想の中央値は3.5%とした。予測通りになれば米国の失業率は1960年代後半以来の水準となる。こうした短期の見通しをよそに長期の持続可能な失業率の予測は引き続き4.5%とした。

  これはかなりのオーバーシュートであるため、20年に3.5%に低下すると予想された失業率が長期的にどのように4.5%に向かうのかといった幾つかの重要な問題を提起した。

  パウエル議長は幾つかの問題には答えたが、不確実という言葉で表現した。議長は長期的な失業率が4.5%を下回ることが先行き分かるかもしれないと述べ、教育水準の向上や人口の高齢化が水準を押し下げる可能性があると指摘。「自然失業率の水準について確信を持って把握している人はいない。観測できない変数に過度に執着することはできない」と付け加えた。

2.中立金利に到達?

  FOMCは政策金利が長期的に予想される水準を19年に上回る見通しを示した。これは従来予想していた時期よりも1年早い。長期的な水準を巡る予想は、経済成長を刺激も減速もさせない中立金利の近似値と受け止められるケースが多いだけに、重要な目安だ。

  中立水準にあることをどのように知るのか、利上げを停止しても大丈夫な時期をどう判断するのかとの質問に対し、パウエル議長は「中立水準に近づいているとわれわれは分かっている」と述べつつも、それが何かという「正確な感覚」はないと指摘。「幅広い不確実性」と柔軟な考え方の重要性を強調し、「インフレや金融指標、労働市場に関する今後のデータを非常に慎重に検証していく」考えを示した。

3.ガイダンスは?

  パウエル議長が1つの分野で明確な回答を出したとすればこれだろう。市場関係者は6月に議長の意思伝達方針について多くを学んだことだ。FOMCは声明から「フェデラルファンド(FF)金利は今後しばらく、中長期的に有効となる水準を下回る可能性が高いと予想している」との文言を削除。さらに、パウエル議長は来年1月から毎回のFOMC会合後に記者会見を開くことも発表した。FOMCの経済予測の公表は引き続き四半期ごととする。

原題:Powell Solves Some Fed Policy Mysteries, Plot Thickens on Others(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE