日本株4日ぶり反落、米中摩擦懸念や円安一服-輸出

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  • 米国は中国製品への関税を発動と米紙、トランプ大統領も警告発言
  • FOMC後の円安傾向は長続きせず、中国経済指標に鈍化の兆し
A man stands in front of an electronic stock board outside a securities firm in Tokyo, Japan, on Tuesday, June 12, 2018. Photographer: Shiho Fukada/Bloomberg

14日の東京株式相場は4営業日ぶりに反落。米国と中国の貿易摩擦懸念が再燃したほか、米金融政策決定後の円安一服も投資家心理を冷やした。中国経済の鈍化が懸念される格好で電機や機械など輸出株、化学やガラス・土石製品など素材株中心に、商社やパルプ・紙株も安い。

  TOPIXの終値は前日比16.48ポイント(0.9%)安の1783.89、日経平均株価は227円77銭(1%)安の2万2738円61銭。

  BNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパンの王子田賢史日本株式運用部長は、「FOMCではタカ派的に修正され、ここから先は引き締めとのメッセージになっている。個人的にサプライズはないが、日本株市場ではFOMC後に為替が1ドル=111円台まであってもいいとの見方があったのかもしれない」と話した。

東証ロゴ

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  米連邦公開市場委員会(FOMC)は13日、ことし2度目の利上げを決定、2018年通年の利上げ予測は4回に上方修正された。米10年債利回りは一時3%を上回り、ドル・円相場は1ドル=110円80銭台まであったが、米金利の上昇と円安の勢いは続かなかった。

  また、米国は中国製品に対する関税を15日にも発動する準備をしている、と米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが報じ、円高方向への動きが強まった。きょうの東京外国為替市場のドル・円は1ドル=110円に接近、前日の日本株終値時点は110円57銭だった。トランプ米大統領は13日に放映されたFOXニュースとのインタビューで、「われわれが貿易で非常に厳しく対応するため、中国は若干動揺するかもしれない」と述べた。

  野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「トランプ大統領にとって北朝鮮との交渉はひとまず終わり、次は巨額の貿易赤字を抱える中国や日本が交渉対象になるのだろう」と指摘。あと1カ月で議会が休会となる前に、「外交・通商面でアピールを強めてくる可能性がある」と言う。地政学リスクから通商問題へ市場の関心が移るとともに、日本株の上値は重くなりつつある。

  また、中国の国家統計局が14日に表した5月の工業生産は前年同月比6.8%増と、市場予想の7%増を下回った。小売売上高と固定資産投資も振るわない中、上海総合指数は統計後に再度下落基調となり、米S&P500種Eミニ先物も軟調推移、日本株も大引けにかけ下げ足を速め、TOPIXと日経平均はきょうの安値引けとなった。

  一方、みずほ証券の倉持靖彦投資情報部長は「米中の通商問題が続けば、企業マインドを冷やす可能性がある」とした半面、「米国が中国製品500億ドル相当に25%の関税をかけ、中国も同等かけたとしても個々の企業への影響にとどまり、マクロインパクトはそれぞれのGDPの0.1%程度とそれほど大きくない」ともみている。日本株は対外的には通商政策や新興国動向、国内では決算や実体経済を見極めながらも、「1ドル=106円70銭前提で金融を除く今期経常利益は7%増が見込まれており、今後出てくる4ー6月決算を好感し、7月にかけて相場は高値を目指すだろう」とも話していた。

  東証1部33業種はパルプ・紙やその他製品、ガラス・土石製品、鉱業、電機、建設、化学、繊維、機械、輸送用機器など29業種が下落。上昇は海運、水産・農林、石油・石炭製品、銀行の4業種。売買代金上位では今期減益計画のヤーマン、大和証券が投資判断を下げたエーザイが安い。半面、JPモルガン証券が判断を上げたりそなホールディングス、アナリストの間で受注持ち直しとの見方が高まったディスコは高い。

  • 東証1部売買高は14億9745万株、売買代金は2兆4018億円
  • 値上がり銘柄数は603、値下がりは1399
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