FOMC:積極的に成長を抑制する状況も視野に-市場関係者の見方

更新日時
Photographer: Andrew Harrer/
Photographer: Andrew Harrer/

米連邦公開市場委員会(FOMC)は12、13両日の定例会合で、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0.25ポイント引き上げ、1.75-2%のレンジに設定した。利上げは今年に入って2度目。失業率が低下し、インフレ率が従来の見通しよりも速いペースで上昇していることから、2018年通年の利上げ予測は4回に上方修正された。

  これについての市場関係者の見方は以下の通り。

◎米金融当局が9月と12月に再利上げと予想-MUFGのラプキー氏
  MUFGユニオンバンクのクリス・ラプキー氏は「利上げは自動操縦ではないとパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は言うが、そんなはずはなかろう。今後数年の金利の道筋は定まっており、ゆっくりと着実に進めるやり方がベストだというのが米金融当局の認識だ。利上げペースを加速させるほどの景気過熱はなく、ペースを遅らせるほどの景気鈍化もない」とリポートで指摘した。
  FRB議長がFOMC後に毎回記者会見するとの決定については、「年4回利上げするというだけなら、なぜわざわざ心配するのか分からない」。「やり過ぎ」に思える。

◎FRB議長会見追加で各会合の利上げ確率はより均等に-ソシエテ・ジェネラル
  ソシエテ・ジェネラルのスバドラ・ラジャッパ氏はパウエルFRB議長の記者会見が増える重要性について、「政策は引き続き極めてデータ次第になるだろうが、各会合の利上げ確率はより均等になる可能性が見込まれる」と述べた。
  「FOMCの日程近辺で取引される先物の値動きが多少活発化すると思う」。

◎FOMCややタカ派的、今年4回利上げはまだ微妙-三菱UFJ銀
  経済調査室の栗原浩史チーフ米国エコノミスト(ニューヨーク在勤)は、足元の貿易面や新興国通貨安に対する懸念がほとんど示されず、米景気自体に自信を深めているのではないかということで、ややタカ派的だったというイメージだと語った。
  今年の利上げ予測は4回になったが、ドットは1人が変わっただけで引き続き僅差。今年3回か4回かはまだ微妙だと思う。
  声明文も大きく変更されたが、これは中立金利が分からない中、もっと機動的に政策運営をしていくというスタンス。これ自体がタカ派的・ハト派的という話ではなさそう。
  分からないことを声明文で無理に言うのはやめて、逆に記者会見を多くして説明をきちんとやるということだと理解。
  ドルは金融政策ではあまり方向感が出づらいという印象。目先の多少の変動といった話では動きづらくなっている。ドルはもう少し中長期的な金利のパスをみているのではないか。

◎FOMCドットプロット上方修正、短期的なドル高誘発へ-テンパス
  「ドットプロットで示された4回の利上げはドル上昇と整合的だ」と、テンパスのディーリング・トレーディング担当バイスプレジデント、ジョン・ドイル氏(ワシントン在勤)が指摘。
  ドルは短期的に小幅上昇する可能性が高いが、14日の欧州中央銀行(ECB)会合がタカ派的となれば、ドルに対する強気なセンチメントが中和され、ユーロ・ドル相場はレンジの推移が続く可能性。

◎ドルは「堅調を取り戻す」、FOMCの行動で-SVB
  米金利軌道に支えられ、ドルの上昇は続きそうだと、シリコン・バレー・バンクのシニア外国為替トレーダー、ミン・トラン氏が指摘。
  「今後2年間に金利が高くなる見通しは固い」。
  ドルは「過去1カ月の上昇を維持することができる」、今年後半にかけて「堅調を取り戻す」はずだ。

◎ドル上昇に継続の余地、タカ派的なFOMC利上げ後-HSBC
  5月末に失速していたドル上昇の勢いは、FOMCが描いたタカ派的な見通しをきっかけに復活するだろうと、HSBCの為替戦略責任者、ダラフ・マー氏がリポートで指摘。
  「ドルは特に高ベータG10通貨および新興国通貨に対して大きく上昇する可能性が高い。市場はFOMCの引き締めペース見通しを調整するはずだ」。
  14日のECB会合を巡る不透明感は今のところ、対ユーロでのドル上昇を抑制する可能性。
  ポンドは1.3150ドルに向かって下落再開へ。

◎FOMCのタカ派姿勢、ハイイールド債と株に影響へ-バンガード
  きょうのFOMCの利上げと持続的な緩和政策に関するフォワードガイダンスの削除は、「金融市場にタカ派のメッセージを送った」とバンガードのフィクストインカム・グループのグローバル責任者ジョン・ホラー氏が指摘した。
  「2018年の追加利上げは割合早い時期の引き締め政策を示唆しており、米ドルが短期的に引き続き強いことに加え、最終的にはハイイールド債や株式などリスク資産の投資家に影響を及ぼす可能性がある」。
  バンガードは「利回り曲線の平たん化の可能性が高まった」と認識。
  「18年に予想される利上げ回数の中央値が3回から4回に増え、当局はバンガードが発表前に想定していたよりも引き締め気味の政策を予想している」。

◎米金融当局は積極的に成長を抑制する状況も視野に-パンセオン
  パンセオン・マクロエコノミクスのチーフエコノミスト、イアン・シェファードソン氏は「当局は成長を積極的に抑制する必要があるかもしれないと認識するようなポイントに向けて進んでいる。当局者はまだそこに到達していないし、少なくともかなりのマイノリティーはそこに至っていない。しかし、失業率が50年ぶりないし60年ぶりの低水準に低下し続ける恐れがあり、そうした状況が近づいている」と、リポートで指摘した。

◎FOMC声明は市場予想よりもタカ派寄り-ウェルズ・キャピタル
  FOMC声明は市場が織り込んでいたよりも若干タカ派寄りで、経済に強気な見方だったとウェルズ・キャピタル・マネジメントのジェイ・ミューラー氏が指摘した。
  「年内の利上げ回数が3回なのか4回なのかという曖昧さは4回の方向で解決したようだ。市場が売られ、利回り曲線が平たん化したことは理にかなう」。
  「経済の定性記述が上方修正されたことも、一層タカ派寄りのバイアスを示す」。

(1人目を追加して更新します.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE