債券上昇、日銀買い入れ減額でも需給引き締まり感強い-ECB見極め

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  • 新発10年債が2営業日ぶりに取引成立、利回りは0.04%に低下
  • オペ減額、基本的に買い過ぎの状態が少し修正された程度-SBI証

債券相場は上昇。タカ派寄りの米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けた米長期金利の上昇が限定的になった流れを受けて買いが先行した。日本銀行がこの日の金融調節で中期ゾーンの国債買い入れを減額したものの、需給が引き締まっている状況に変化はないとの見方を背景に買い圧力が掛かった。

  14日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債350回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と横ばいの0.045%で開始し、午後には0.5ベーシスポイント(bp)低い0.04%を付けた。前日は今年5回目の取引不成立となった。新発2年物389回債は4営業日ぶりに取引が成立し、利回りは横ばいのマイナス0.135%で推移。長期国債先物中心限月9月物は堅調な推移となり、15銭高の150円76銭で引けた。

  SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは、「日銀のイールドカーブコントロールが効き過ぎており、FOMCもそれを修正するほどの材料にならなかった」と指摘。「3-5年の買い入れが減額されたが、基本的に買い過ぎの状態が少し修正されたくらいだと思われる。これでも発行の9割くらいはまだ日銀が買っている状況に変わりはない」と言う。

  日銀はこの日の金融調節で中期と超長期ゾーンを対象の長期国債買い入れオペを実施。残存期間3年超5年以下の買い入れ額を3000億円と、前回から300億円減額した。同ゾーンは昨年9月に減額された後、今年1月には増額されていた。その他のゾーンの買い入れ額は据え置かれた。

過去の日銀オペの結果はこちらをご覧下さい。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「1日の5-10年減額に続き、1月と2月に増額した部分の修正に入っている感がある。国債の需給がタイトになっているためで、金利も日銀操作の範囲内で落ち着いて動いていくだろうという前提の下、減額しても問題ないと市場はみているのではないか」と指摘した。

米欧金融政策

  FOMCは12、13両日の定例会合で、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0.25ポイント引き上げ、1.75-2%のレンジに設定した。最新のドット・プロット(金利予測分布図)では、金融政策決定当局者8人が今年通年の利上げ回数を4回以上と予想。前回3月の予測では7人だった。

  13日の米国債市場では、FOMCの結果が判明した直後に売りが優勢となり、10年国債利回りは一時3%台に乗せたが、結局は1bp高の2.97%程度で引けた。

  この日は欧州中央銀行(ECB)が政策委員会を開く。資産購入プログラムの終了時期について公式に協議する見通しで、市場では今回会合で結論が出るか、7月の次回会合まで持ち越されるかが焦点となっている。

  SBI証の道家氏は、「今回か次回の会合で資産買い入れの終了時期をはっきりさせると思われるが、市場はイタリアの問題があるので、ECBは腰が引けているとしてハト派方向で構えている」と指摘。「逆に振れる可能性もあるので注意する必要がある」とし、日中の円債市場ではECB待ちで動きが鈍くなりやすいとしていた。

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