コンテンツにスキップする

東電HD副会長:プルトニウム削減で他社と協力も、原発再稼働進まず

  • 米は日本に核兵器の原料にもなるプルトニウムの削減求めたとの報道
  • 東電含め日本が抱えるプルトニウムの量は47トンまで積み上がる

東京電力ホールディングスの広瀬直己副会長は12日のインタビューで、原子力発電所の使用済み核燃料から取り出したプルトニウムについて、国内の他の電力会社に提供する可能性もあるとの認識を示した。取り出したプルトニウムは再び燃料として使用するが、原発の再稼働が進んでおらず日本は大量のプルトニウムを抱えている。

Tokyo Electric Power Co. Holdings Inc. (Tepco) Executive Vice Chairman Naomi Hirose Interview

広瀬副会長

Photographer: Kentaro Takahashi/Bloomberg

  広瀬副会長は「プルトニウムはできるだけ早く再利用すべきだが、残念ながら原発が再稼働できていない」と指摘。昨年12月に原子力規制委員会の審査に合格した柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の再稼働をまずは目指すとしたが、地元の同意が得られておらず運転再開の時期は未定。そのため、関西電力九州電力などすでに再稼働している原発を持つ他の電力会社に対し、プルトニウムを提供する可能性はあるとの認識を示した。協議はまだ始めていないとも語った。

  使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し、資源として再利用する核燃料サイクルを核兵器保有国以外では日本が唯一、実施している。ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料として原発で再利用してきたが、2011年の東電・福島第1原発の事故を受けて一時、国内の全原発が稼働を停止。現在の新規制基準の下で再稼働した原発は8基となっている。核分裂性物質に関する国際パネル(IPFM)によると、民生用プルトニウムの保有量は英国、フランス、ロシアに次ぎ世界4位。

  10日付の日本経済新聞は、日本が保有するプルトニウムの削減を米政府が求めてきたことが分かったと報じた。核兵器の原料にもなるため、米国は核不拡散の観点から懸念を示しているといい、日本側は保有量の増加を抑える上限制を導入し理解を求めるなどと伝えた。

  広瀬副会長は、政府間の議論については承知していないとしたが、同社が必要量以上のプルトニウムを保有することは望まないと述べた。原子力委員会によると、16年末時点で日本が国内外に保有するプルトニウムの量は約47トン。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE