東芝:初の自社株買い実施、7000億円規模-アクティビストが要望

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  • 香港のASMは1.1兆円規模を求めていた-安定的な配当も検討へ
  • 株価は一時8.5%高の343円に、昨年10月以来の高水準に回復

東芝は13日、7000億円程度の規模で自社株買いを行う方針を決定したと発表した。実施時期や手法など詳細は今後詰める。6月1日に半導体子会社「東芝メモリ」の売却を完了し、9700億円の売却益を得たことから、早期の株主還元を行うと表明していた。東芝としては初めての自社株買いとなる。

  自社株買いは可能な限り早期に実施するという。安定的な配当実施の在り方も検討していく方針を表明した。7000億円の規模は、天然ガスの液化への加工委託契約に関するリスクや今後の構造転換に必要なコストを考慮して決めた。自社株買い実施後も健全な株主資本構成を確保できるとみている。

  東芝の株主還元を巡っては、2017年9月に行った第三者割当増資で新たな株主になった投資ファンドなどから要望が寄せられており、香港のアーガイル・ストリート・マネジメント(ASM)は、6月27日の株主総会前に1兆1000億円の自社株買い方針を示すよう書簡を送付していた。

  自社株買い方針の発表を受け同社の株価は一時前日比8.5%高の343円まで上昇、2017年8月9日の9.3%に次ぐ上昇率となった。株価の水準も同年10月19日の347円以来に回復した。発表では巨額損失発生の端緒となった企業の買収・合併(M&A)は今後、慎重に対応する方針も示した。

  東芝広報担当の蝦名卓氏は、東芝メモリの譲渡益の還元方針を早期に株主に示すため、公表に至ったと説明。「引き続き株主、投資家の方々との建設的な対話を行うとともに、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値、株主価値の向上を実現する」と述べた。

  東海東京調査センターの石野雅彦シニアアナリストは、「サプライズだ。株主価値を最大化するということについて新経営陣が前向きな対応をした」と評価。今後は、既存事業の具体的な改革の見通しや、東芝メモリの上場が東芝の株主価値の最大化にどのようにつながっていくのかに注目している。

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