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キリンHD社長:健康事業で買収など模索-自前では時間必要

更新日時
  • 買収は経済合理性で説明のつく価格で、1兆円規模の買収はない
  • 協和発酵キリンの株式保有比率は維持、今後は欧米で新薬展開

キリンホールディングスの磯崎功典社長は6日のインタビューで、独自の乳酸菌を活用した商品などを展開する「健康領域」の事業を成長させるため、買収や提携関係の構築に資金を集中する考えを明らかにした。ビール事業では成長の余地が限られており、健康につながる飲料や食品の事業に活路を見いだそうとしている。

Kirin Holdings Co. Chief Executive Officer Yoshinori Isozaki Interview

磯崎社長

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  磯崎氏は健康事業について「自前でやると時間がかかる。あまりにも時間がかかるのはやりたくない」と述べ、買収を含めて強化を模索する可能性を示した。健康事業の分野で企業を「1兆円で買うことはない。経済合理性で説明のつく価格でないといけない」と述べた。

  健康事業は磯崎氏の肝いりでもあり、2016年には社長直轄の事業創造部を設立。プラズマ乳酸菌をてこに商品開発を進めている。乳酸菌の潜在市場2300億円のうち、10年後には約1割を獲得したいと語った。

  健康事業のほか医薬事業では収益性の高い欧米を中心に新薬を展開していくと説明。社会保障費削減の流れで国内では薬価が引き下げられる方向にあるとし、「同じエネルギーを使うならヨーロッパが先」と話した。医薬事業を担当する子会社の協和発酵キリンの海外売上高比率を20年までに50%に引き上げる目標についても「決して難しい目標ではない」と語った。18年1-3月期の比率は35%だったが、主力の医薬品の販売を欧米で開始することで引き上げを目指す。

国内ビール消費は頭打ち

  キリンHDが健康、医薬事業の成長強化を目指す背景には、少子高齢化の進展や若者のビール離れなどにより国内でビール消費が頭打ちとなっていることがある。ビールでは収益性の高い商品の開発や海外展開の強化にも取り組んでいる。

  キリンHDは協和発酵キリンの52.8%を保有しており、同社がキリンHDの営業利益の3割程度を稼いでいる。磯崎氏は出資比率を「急激に変えることは考えていない」と維持する考えを示した。現在は協和発酵キリンの株価が高値であることに加え、「メガファーマだから必ず新薬を作れるという保証はない。ある種ベンチャー的な会社であってもいい」と説明した。

(3段落目に健康事業の詳細を追加して記事を更新します.)
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