Photographer: Luke MacGregor/Bloomberg

新興国の通貨安が誘引、金は1400ドル台乗せも-ステート・ストリート

  • 中国やインド、タイでの金の投資需要の増加がカタリストに
  • 政治、経済的な不確実性高まり金価格の上昇を正当化できる環境に
Photographer: Luke MacGregor/Bloomberg

米大手資産運用会社ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの金戦略責任者、ジョージ・ミリングスタンレー氏は、金価格は年内に1オンス当たり1400ドル台を付ける可能性があるとの見方を示した。2013年9月以来の高水準となる。中国やインドなど通貨安が進む新興国で、資産目減りを防ぐために金への投資が増加していることが背景にある。

  6日、都内でのインタビューで述べた。ミリングスタンレー氏は「新興国での金の投資需要増加がカタリストとなり、今年後半から来年にかけて金価格は上昇する」と見ている。新興国では通貨安に伴う影響から資産を守るため、ドル建ての金への投資を加速させる動きが顕著に出ているという。

  中国では金を裏付けとした上場投資信託(ETF)への需要が増えているほか、インドでは宝飾品需要に加えて投資需要も伸びていると指摘。タイでも金のETFへの投資が増えているという。こうした新興国の通貨は引き続き弱含むことが見込まれるとして、資産防衛のための金の投資需要は「今後も増えていく」と見ている。

  金価格については1350-1400ドルの範囲での推移を見込み、投機的な資金の流入によって一時的に1400ドルを超える可能性もあると述べた。ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズは、世界最大の金連動型ETFである「SPDRゴールド・シェアーズ」の組成を手掛ける。

  現在の金のスポット価格は1オンス当たり1297ドル。4月に付けた直近の高値1365ドルから5%下落した水準。12-13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ観測の高まりを受けて、金利の付かない金価格は弱含んでいるが、FOMCによる政策金利の発表以降には上値を試す展開を予想する。

  ミリングスタンレー氏は「世界的にはまだかなり多くのリスクが存在しており、金価格の上昇を正当化できる環境になっている」とも指摘。英国の欧州連合(EU)離脱の影響やイタリアの政治的混乱、また世界的な貿易紛争はインフレをもたらすとして、これらの要素が金価格を下支えすると述べた。

  08年秋のリーマンショック以降、長期にわたって上昇傾向にある米国株式相場に対して、大きな下落局面が訪れるとの懸念を抱く投資家も多いという。政治・経済的な不確実性を受けて、欧州や北米の機関投資家、個人投資家の間でも株式相場などとは相関関係の低い金の投資比率を増やす動きが出ていると語った。

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