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Photographer: Akio Kon
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生保がじわり金利スワップ運用、大規模購入が困難な超長期債の代替に

  • 固定金利受けの円金利スワップ取引、想定元本7000億円-第一生命
  • 円金利スワップ取引でも市場の流動性を配慮
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Photographer: Akio Kon

主要な国内生命保険会社が、円金利スワップ取引を日本国債の代替運用として増やしている。日本銀行による大量の国債買い入れの影響で、超長期債の運用が難しくなっているためだ。

  第一生命保険は、期間10年超の固定金利を受け取る円金利スワップ取引を2015年末に開始。今年3月末には想定元本が7000億円と、超長期国債の保有残高の6%に相当する規模となった。日本生命保険も約3年前はゼロだった同様の取引を今年3月末現在で5800億円まで膨らませた。明治安田生命保険は期間10年超の固定金利を受け取る金利スワップ取引を07年度から続けている。

  生保が保険料収入を元手に行う運用は、現物債購入で対応するのが基本。だが、「国債を大量に購入するのは難しいため、補足的に金利スワップを手掛けている」と、第一生命の綱孝裕運用企画室長は説明する。日本生命財務企画部の藤原聖担当課長は、保険金支払いの期間と資産運用の期間の調整などをするため、現物の国債だけでなく金利スワップも運用に活用していると話す。

  金利スワップ取引で固定金利を受け取る契約を結ぶと、確定利付債を保有した時に一定期間ごとに受け取る利子と似たような運用効果を得ることができる。取引で固定化される円スワップ金利は信用リスク面で国債に劣るため上乗せ金利を求められることが多く、足元の20年物は0.6%強と残存期間が近い国債利回りを10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)近く上回っている。

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円スワップ金利と国債利回りの利回り曲線の比較

  日本証券業協会の統計によると、生損保による超長期国債の買越額は昨年度に3兆314億円。異次元緩和が始まる直前の2012年度から3分の1近くに減り、10年ぶりの低水準となった。超長期国債の保有残高は第一生命が3月末に約11兆8400億円、日本生命が約13兆400億円と前年より数パーセント減っている。一方、日銀の超長期国債の保有残高は増え続け足元で112兆円を超えている。

流動性

  生保は、債券を償還まで保有すれば金利上昇時の評価損を免れる「責任準備金対応」といった会計上の優遇措置を受けられる。だが、本来なら最優先の投資対象となる超長期国債は品薄状態。財務省は2018年度の国債発行計画で、20年物を前年度と同じ水準に据え置く一方で、30年物を約13%、40年物を20%それぞれ減額した。

  国債の代替としての金利スワップ取引でも、市場の流動性への配慮をしなければならない。第一生命の綱氏は、例えば1回で500億円規模の固定金利受けを金融機関に打診すると取引コストがかさむ上、受け取れる金利が下がってしまう恐れがあると指摘。小口に分散せざるを得ず、1カ月で合計1000億円以上を取引するのは難しいが、低金利と金融緩和が続く以上、今後も金利スワップ取引を続けざるを得ないと言う。

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