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【コラム】トランプ氏投稿で雇用統計日の債券トレーダーの行動に変化

トランプ大統領

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トランプ米大統領は恐らく、毎月の米雇用統計の発表で債券トレーダーにとって最重要の数字は平均時給だと分かっている。いや、そうではなく、雇用者数に注目しているだけかもしれない。まあ、どちらでも良い。5月の雇用統計では重要な全ての数字が事前の市場予想を上回った。

  トランプ氏はワシントン時間1日午前7時21分に「8時半の雇用統計が楽しみだ」とツイッターに投稿し、強い数字になるとの観測から米国債利回りとドルが上昇した。

  雇用者数の増加はずいぶん前から堅調で、失業率は既に2000年の水準に並ぶ低さだったが、平均時給の伸びの鈍さが米金融当局の追加利上げペースを抑えているように思えた。ブルームバーグインテリジェンスのカール・リカドンナ、ニラージ・シャー両氏が1日の雇用統計見通しで指摘したように、インフレ率を米当局が望むペースにするには平均時給が前月比0.3%増で伸び続ける必要性がある。
  
  実際に発表された平均時給はまさに前月比0.3%増。ストラテジストらは年内3回の追加利上げについて再び語り始めた。1日の2年物米国債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して2.48%となり、10年債利回りも5bp上昇した。

  同日に起きた異例な点はもちろん、雇用統計の公式発表前にかなりの動きが市場であったということだ。市場は通常、統計発表前は静かで、発表後は反射的な反応で数秒間にわたって乱高下することもある。だが、今回は発表時間の69分前にトランプ氏がツイートした瞬間から統計公表まで利回りがじりじり上昇し、発表後も相場下落を維持。ドルは発表前の1時間に約0.2%上げたが、これは過去1年の発表日に見られた変動度合いの倍以上だった。

  発表前のツイートをめぐる疑問や将来再び投稿があるのかという点はさておき、失業率の3.8%への低下や堅調な賃金の伸びは、今月の追加利上げがまず確実であることを意味する。フェデラルファンド金利先物は年内2回を若干上回る回数の利上げを織り込みつつある。

  1日の雇用統計は引き締め路線から米当局が逸脱する不安のほとんどを解消し、この統計がもたらすはずだったドラマの一部はトランプ氏のツイートによって消し去られてしまった。恐らく、債券トレーダーに唯一加わったストレスの種は、今後の雇用統計発表日にはずいぶん早くトレーディングデスクに陣取る計画をした方がいいということだろう。(ブライアン・チャパッタ)

(このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)

原題:Trump Tweet Jolts Bond Traders’ Jobs-Day Habits: Brian Chappatta(抜粋)

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