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【先週の新興国市場】株と通貨が下落、貿易摩擦やイタリア政治で売り

更新日時
  • トランプ大統領の鉄鋼関税に対し、EUとカナダ、メキシコは報復
  • トルコ・リラは上昇、中銀が金融政策の枠組みを簡素化へ

1日終了週の新興国市場では、株価が3週連続で下落。通貨も値下がりした。通商摩擦が世界的な貿易戦争に発展する可能性が再浮上した。一方、トルコ・リラは上昇。中銀による一段の下支え観測が広がった。ただ、格下げの可能性があるとの見方から、週末にかけて投資家の不安が高まる展開となった。

  株価指標のMSCI新興市場指数は週間で0.5%下落。MSCI新興国通貨指数は0.2%下げた。ブルームバーグ・バークレイズの新興国市場の現地通貨建て国債指数は0.1%上昇した。

主なニュース:

  • トランプ米大統領は1日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と6月12日にシンガポールで会談すると表明。大統領はこの日、金委員長の特使として訪米中の金英哲朝鮮労働党副委員長とホワイトハウスで会談した
  • ロス米商務長官は米国が1日にEUとカナダ、メキシコ製の鉄鋼とアルミニウムへの関税を発動すると発表。適用猶予を打ち切った
    • EUは速やかに報復措置を取ると表明。メキシコは平鋼やチーズなどあらゆる米国製品に関税を課すと発表し、カナダは鉄鋼とアルミニウムなど最大166億カナダ・ドル(約1兆4000億円)相当の米国製品に7月1日から関税を課すとした
  • 5月の米非農業部門雇用者数は前月比22万3000人増。市場予想の中央値は19万人増だった。失業率は2000年4月に並び、1969年以来の低水準。6月利上げの可能性が一段と高まった
  • イタリアの政治危機は週初の世界市場に混乱をもたらした。ユーロ圏の結束が試され、域内債券の売りにつながった
    • 同国ではポピュリスト政党の「五つ星運動」と「同盟」が、二転三転の末に連立政権を樹立。欧州他国との摩擦が長期化する可能性が浮上した
  • インドネシア・ルピアはアジア通貨で上昇率トップ。同国中銀は政策金利を0.25ポイント引き上げ4.75%とした。利上げはここ2週間で2度目。ペリー総裁は一段の利上げがあり得ると示唆した
  • トルコ中央銀行は6月から金融政策実行の枠組みを簡素化すると発表。1週間物のレポ金利を主要政策金利とし、16.50%に設定

アジア:

  • 中国人民元は週間で3週連続下落。5月の製造業購買担当者指数(PMI)は8カ月ぶり高水準となり、ブルームバーグが調査したエコノミスト全員の予想を上回った。5月の非製造業PMIは3カ月連続の上昇
  • インド・ルピーは2週連続上昇。1-3月期の経済成長率は前年比7.7%に加速した。主要経済国としては最も速い成長ペースとなった

EMEA:

  • トルコ・リラは週間で5週ぶりに上昇。金融政策の引き締めに伴い、財政政策もタイト化されるとアーバル財務相は述べた
  • 南ア・ランドは下落。4月の貿易収支は2カ月連続で黒字を記録。繊維製品やベースメタルの輸入が減少した

中南米:

  • メキシコ・ペソは中南米で下落率2位。米国が関税を発動したことで、7月1日の大統領選前にNAFTA合意を成立させるのは難しくなったと、ビジネス協議会は指摘した
  • ブラジル・レアルは新興国通貨で下落率上位。政府はトラック運転手のストライキによる影響が和らぎつつあるとし、ディーゼル価格の引き下げをあらためて約束した

今週のデータ:

6月4日トルコ、インドネシア5月の消費者物価指数
5日南ア1-3月のGDP
ブラジル4月の鉱工業生産
韓国4月の経常収支、5月の外貨準備
6日インド金融政策決定
7日トルコ金融政策決定
中国5月の外貨準備
南ア4月の製造業生産
メキシコ5月の消費者物価指数
8日中国5月の貿易収支
ブラジル5月のIPCAインフレ
インドネシア5月の外貨準備

原題:Trade Tension, Italian Political Woes Prompt Selloff: EM Review (抜粋)

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