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債券下落、予想外の日銀オペ減額で売り優勢-長期金利0.045%に上昇

  • 先物は12銭安の150円85銭で終了、4月下旬以来の下落幅
  • オペ減額はマイナス利回りにはさせないという意向か-岡三証

債券相場は下落。長期金利は1週間ぶり水準に上昇した。米国を巡る世界的な貿易戦争の懸念などから買いが先行した後、日本銀行による予想外の長期ゾーンの国債買い入れオペ減額を受けて下げに転じた。

  1日の長期国債先物市場で中心限月6月物は前日比3銭高の151円00銭で取引を開始。いったん151円01銭を付けたものの、日銀がオペ減額を通知すると水準を切り下げ、16銭安の150円81銭まで急落。午後もこの日の安値圏で推移し、結局は12銭安の150円85銭で引けた。終値の下げ幅は4月25日以来の大きさ。日中売買高は5兆8220億円と中心限月で昨年6月以来の高水準となった。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、日銀が残存期間5年超10年以下のオペを減額したのは「利回り低下を抑えるという意味か。長い目で見ればマイナス利回りにはさせないという意向が出てきているのかもしれない」と分析。金融緩和の「副作用への警戒感が強まっているとのムードが出てくるのではないか」と述べ、今月は国債の大量償還月で需給が締まりやすい面もあると続けた。

長期国債先物相場の推移

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の350回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と同じ0.03%で開始。その後、オペ減額を受けて1.5ベーシスポイント(bp)高い0.045%と、5月24日以来の水準まで上昇。いったん0.04%に戻したが、午後は再び0.045%で推移した。

  新発20年物の164回債利回りは横ばいの0.505%で開始後、0.515%に上昇。新発30年物58回債利回りは横ばいの0.71%で始まり、一時0.705%に下げたものの、午後には0.72%まで売られる場面があった。新発40年物の11回債利回りは横ばいの0.86%で始まり、一時1bp高い0.87%を付けた。先月30日には新発20年債が0.495%、新発30年債は0.695%と、ともに4月19日以来の水準まで低下していた。

  中期ゾーンでは、新発2年物の389回債利回りが0.5bp高いマイナス0.145%で寄り付き、午後にマイナス0.14%に上昇。新発5年物の135回債利回りは1bp高いマイナス0.115%で売買された。 

日銀オペ減額

  日銀は午前10時10分の金融調節で、残存期間が5年超10年以下の購入額を前回より200億円少ない4300億円と通知した。同ゾーンの減額は昨年8月以来。年初からの金利上昇を受けて2月2日に4100億円から4500億円に増額した後、前回までは金利低下が進む中でも減額を見送っていた。

  前日夕方に公表した当面の長期国債等の買い入れの運営方針では、年限ごとの1回当たりオファー金額のレンジや回数とも5月からの変更はなかった。市場ではオペ減額は予想外と受け止められた。

  オペ減額を受けた金利上昇は小幅にとどまり、外国為替市場の円相場は対ドルで1ドル=108円台後半から109円台前半と、むしろ下げた。バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは「タイミングと実施時の金利水準は予想外の『奇襲』だったが、日銀が最も恐れていた円高は進まなかった」と指摘。「今後に向けて味をしめる結果になったのではないか」と述べた。

過去の国債買い入れオペの結果はこちらをご覧下さい。

  31日の米国債相場は一進一退。10年国債利回りは一時2.82%まで下げた後、1bp未満高い2.86%程度で引けた。トランプ米政権は欧州連合(EU)とカナダ、メキシコ製の鉄鋼とアルミニウムへの関税を発動すると発表。3カ国・地域は相次ぎ、報復措置を取ると表明した。政局混乱が続いているイタリアではポピュリスト政党による連立政権樹立で合意に達し、政治経験のない法学教授のジュゼッペ・コンテ氏が首相に、エコノミストのジョバンニ・トリア氏が財務相に指名された。

  米労働省はこの日、5月の非農業部門雇用者数を発表する。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値(事業所調査、季節調整済み)は前月比19万人増。前月は16万4000人増だった。失業率は3.9%と、2000年12月以来の低水準となった前月から横ばいになると見込まれている。1日の米10年債利回りは時間外取引で2.87%台で推移している。

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