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Photographer: Tomohiro Ohsumi
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ドル・円上昇、伊政治不安後退で円売り優勢-日銀オペ減額の影響限定

更新日時
  • オペ減額後に一時下落も、米雇用統計を前に109円24銭まで上昇
  • スペイン政治リスクや米関税問題でここから上値重くなる-あおぞら
Japanese 10,000 yen, left, and U.S. 100 dollar banknotes are arranged for a photograph in Tokyo, Japan, on Monday, June 20, 2016.
Photographer: Tomohiro Ohsumi

東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=109円台前半へ上昇。日本銀行による国債買い入れオペ減額を受けて一時円高に振れたが、イタリア政治不安の後退や米雇用統計前の持ち高調整の動きからドル買い・円売りが優勢となった。

  1日午後3時現在のドル・円は前日比0.3%高の109円11銭。108円台後半で強含みに推移した後、日銀が午前10時10分の金融調節で国債の買い入れ減額を通知すると日中安値(108円72銭)付近まで下落。その後急速に切り返し、正午すぎには一時109円24銭まで値を切り上げた。

  あおぞら銀行の諸我晃総合資金部部長は、「オペ減額が少額だったということもあるが、それほど円高方向に行かなかったので、そこで売った向きの買いも入ったのだろう。イタリア政局が少し落ち着いてきて、ユーロ・円がだいぶ戻してきたことの安心感もある」とドル・円の上昇を説明。ただ、スペインの政治リスクや米国の関税問題もあり、「ここからは少し上値が重くなってくると思う」と話した。

ドル・円は109円台回復

  日本銀行は1日午前の金融調節で、残存期間が5年超10年以下の国債購入額を前回より200億円少ない4300億円と通知した。このゾーンの減額は昨年8月以来。米貿易摩擦の拡大やイタリアの政情不安、原油相場の反落を背景に、国内外で金利低下が進んだ機会を捉える形となった。

  みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストは、日銀の出口観測が強まっていた「1、2月とは状況も違うし、政策変更の端緒だという位置付けにはなっていない」とし、「これで日銀の早期利上げ期待が再燃するというようなことにはなりにくい」と指摘。NBCフィナンシャル・マーケッツ・アジアのディレクター、デービッド・ルー氏(香港在勤)は、市場がまだドルショート(売り持ち)だった上、米雇用統計を控えているため、減額通知後のドル・円下落は「逆に買いの好機になったと思う」と話した。

  ブルームバーグ調査によると、1日発表の5月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比19万人増加(4月は16万4000人増)、賃金インフレ動向を探る上で注目の平均時給は前年同月比で4カ月連続の2.6%上昇が予想されている。米供給管理協会(ISM)が発表する5月の製造業景況指数は58.2と3カ月ぶりに改善する見込み。

  大和証券の亀岡裕次チーフ為替アナリストは、「今夜の米経済指標は堅調なものが多いとみられ、ドル高方向になりやすい」とし、指標発表に向けては「ドル・円はどちらかというと少し上がりやすい」と予想。もっとも、通商摩擦を巡る懸念があることから、110円回復は難しそうと述べた。

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  ユーロ・円相場は同時刻現在、前日比0.1%高の1ユーロ=127円38銭。一時127円68銭まで強含んだ後は、スペインの首相不信任案採決を控えて伸び悩んだ。ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.1700ドル前後から1.1666ドルまでじり安となった。

スペインのラホイ首相不信任決議案採決に関する記事はこちら。

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