TOPIXが小幅続伸、イタリア政権発足で最悪回避-米保護主義重し

更新日時
  • 自動車や金融、建設株買われる、食料品など内需や化粧品は安い
  • 米国は鉄鋼とアルミの関税導入、EUやカナダは報復措置へ

1日の東京株式相場は、TOPIXが小幅続伸。イタリアでポピュリズム政党の連立政権発足が決まり、金融市場を巻き込む混迷が長期化する最悪自体は免れた。自動車や銀行、建設、石油株が高い。半面、食料品や電力株、アナリストの格下げを受けたコーセーなど化粧品株は売られた。

  TOPIXの終値は前日比1.72ポイント(0.1%)高の1749.17。日経平均株価は30円47銭(0.1%)安の2万2171円35銭と反落した。

  岡三アセットマネジメントの前野達志シニアストラテジストは、「イタリアのポピュリズム政権がEUとどのように対峙するか見通しづらいが、再選挙やその先のユーロ離脱といった最悪シナリオが回避され、パニック的なリスクオフ局面はいったん終了した」と指摘。ただし、米国トランプ政権の保護主義傾斜への懸念が強い上、「米雇用統計などの指標発表を前に新規の買いは乏しい」とも話した。

東証内

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  イタリアでは「五つ星運動」と「同盟」による連立政権の樹立が決まり、現地時間1日夕に宣誓就任する。政治経験のない法学教授のジュゼッペ・コンテ氏(53)が首相、五つ星党首と同盟書記長が副首相となり、ポピュリスト政権が誕生することになった。

  一方、トランプ米政権は5月31日、欧州連合(EU)、カナダ、メキシコ製の鉄鋼とアルミに対し関税を発動すると発表した。鉄鋼に25%、アルミに10%の関税が課される。EUは報復措置を取ると発表、カナダも米国製の鉄鋼とアルミに7月1日付で関税を課す。

  名実とも6月相場入りした週末の日本株は、米国と各国・地域の貿易摩擦への懸念が先行し、TOPIXと日経平均は下落して開始。SBI証券の鈴木英之投資調査部長は、中間選挙まではトランプ大統領が国民受けする政策を打ち出しやすく、「保護主義化で世界経済のシュリンクが意識されるほか、米企業もコスト高という悪影響が想定されやすい」と言う。

  その後は持ち直し、午前は両指数ともプラス圏で終了。日本銀行の国債買い入れオペ減額の材料をこなし、為替が円安方向で推移したことも後押しした。きょうのドル・円は一時1ドル=109円20銭台、早朝は108円80銭前後だった。カブドットコム証券の河合達憲投資ストラテジストは、イタリア懸念の後退でリスク回避の巻き戻しが起きているとし、「米10年債利回りは2.75%で底入れした公算が大きく、為替の円高が進む可能性が遠のいたことが日本株の買い材料」とみていた。

  ただし、午後は日経平均が再度マイナス圏に沈むなど上値の重い展開。5月の雇用統計や供給管理協会(ISM)製造業景況指数など米国の重要経済統計の発表を前に、積極的な売買は手控えられた。

  東証1部33業種は輸送用機器や石油・石炭製品、鉱業、建設、パルプ・紙、銀行、証券・商品先物取引など20業種が上昇。下落はその他製品や電気・ガス、化学、食料品、不動産、小売、情報・通信、陸運など13業種。売買代金上位ではトヨタ自動車や自社株買いのアステラス製薬、米アクティビストファンドの大量保有が判明したオリンパスが高い。モルガン・スタンレーMUFG証券が投資判断を上げた大林組も上昇・これに対し、ジェフリーズが判断を下げたコーセーやポーラ・オルビスホールディングス、みずほ証券が判断を下げた中部電力が安い。任天堂は反落。

  • 東証1部の売買高は16億599万株、売買代金は2兆6512億円
  • 値上がり銘柄数は1127、値下がり884
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