米の鉄鋼アルミ関税、再び木曜に市場揺さぶる-EUなどへの猶予終了

  • 米ドルはカナダ・ドルとメキシコ・ペソに対し上昇
  • 米鉄鋼株は上昇、ビール株は下落-米国債相場は長期債中心に上昇
Photographer: James MacDonald/Bloomberg

関税が再び木曜日に市場を揺さぶった。

  米トランプ政権は31日、欧州連合(EU)とカナダ、メキシコ製の鉄鋼とアルミニウムに対して輸入関税を発動すると発表した。関税回避を望んでいた貿易相手国に対する米国の行動としては今までで最も厳しい。ただ、この大騒ぎにもかかわらず、投資家はパニックに陥るには至っていない。S&P500種株価指数は前日比0.7%安で終了。鉄鋼関税が最初に発表された3月1日は1%超の値下がりだった。

  チャールズ・シュワブの最高投資ストラテジスト、リズ・アン・ソンダーズ氏は関税について「以前は交渉しようという提案だと受け止められていたが、今回は過去に経験したことよりも一歩前進しているように見える」と述べた。

  このニュースに各資産がどう反応しているかを以下にまとめた。

通貨

  関税執行猶予の終了は、メキシコ・ペソとカナダ・ドルに対する米ドル買いにつながった。1-3月(第1四半期)のカナダの経済成長率が予想を下回ったこともカナダ・ドルの重し。ただ、米ドル・ペソ相場と米ドル・加ドルの1週間物25デルタ・リバーサルを見ると、市場はこの動きが短期的に継続するとはあまり確信していないことが示唆されており、31日はコールのプットに対するアウトパフォームは限定的だった。

  ラボバンクの通貨ストラテジスト、クリスティアン・ローレンス氏は関税の発表は「100%織り込み済みだ」と述べ、「本当に驚くべきではなく、やや停滞しているように見えた協議に圧力を一層加えるものだ」と指摘した。

鉄鋼メーカー

  鉄鋼アルミ関税発動のニュースを受けて米鉄鋼メーカーのUSスチールは上昇した。一方、カナダのステルコ・ホールディングスやメキシコのインドゥストリアスは下落した。

ビール株

  関税発表を受けてアルミニウム価格が上昇。 缶のコスト上昇で飲料メーカーに売り圧力が強まった。モルソン・クアーズ・ブルーイングやボストン・ビアが下落し、「コロナ」や「モデロ」などのビールも手掛けるコンステレーション・ブランズも売られた。

米国債

  欧州の政局不安は安全資産への逃避を促しており、米10年物国債利回りは今週、2.8%を一時割り込んだ。クレディ・アグリコルの米金利戦略責任者、アレックス・リー氏は、「関税のニュースが、長期債を中心に米国債相場の上昇に貢献している」と指摘。「関税のニュースがあり、株から質への逃避の動きが見られた上に、月末特有のトレードもあり、これらの要因が長期債の上昇の原動力となっている思う」と分析した。

原題:Tariff Thursday Strikes Again: Here’s the Fallout Across Assets(抜粋)

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