EU・カナダ・メキシコが報復措置、米鉄鋼・アルミ関税発動で

更新日時
  • EUは速やかに報復措置を取ると表明、カナダは7月1日から関税
  • ユンケル欧州委員長:世界貿易にとって不幸な日になった
Photographer: Mauricio Palos/Bloomberg
Photographer: Mauricio Palos/Bloomberg

鉄鋼・アルミニウム輸入関税を発動させるとの米国の発表を受け、同盟関係にある欧州連合(EU)とカナダ、メキシコは報復関税計画を表明した。

  EUなどの対応は素早かった。ロス米商務長官が31日、鉄鋼・アルミ輸入関税への適用猶予を6月1日から打ち切ると発表して間もなく、対抗措置を発表した。

  EUは速やかに報復措置を取ると表明。メキシコは平鋼やチーズなどあらゆる米国製品に関税を課すと発表し、カナダは鉄鋼とアルミニウムなど最大166億カナダ・ドル(約1兆3900億円)相当の米国製品に7月1日から関税を課すとした。EUとカナダ、メキシコは制裁措置の規模について、米輸入関税と同程度とすると説明している。米鉄鋼輸入全体に占めるEUとカナダ、メキシコの比率は合わせて約40%。

  EUやカナダの閣僚、当局者らは米国の措置への不満や戸惑いを相次いで表明。カナダのトルドー首相は記者会見で米鉄鋼関税について、「長期にわたる安全保障パートナーシップ」と、共に戦って戦死した米国とカナダの兵士への侮辱だと指摘。「われわれはいつの日か常識が勝つと信じざるを得ないが、この日の米政権の行動にそうした兆しは見られない」と語った。

  欧州委員会のユンケル委員長はブリュッセルで、「世界貿易にとって不幸な日になった」と発言。「世界貿易において、一国が一方的な措置を導入することは全く受け入れられない」と述べた。

  メキシコのグアハルド経済相は、トランプ大統領はこの関税により、「自分の足を撃った」と指摘した。

  トランプ政権は自動車輸入への関税も検討しており、貿易戦争が始まるのではないかとの懸念が強まっている。自動車関税はメキシコやカナダ、日本、ドイツなどに打撃をもたらす可能性がある。米政権は中国製品500億ドル相当への関税も計画している。

U.S. Is World's Biggest Steel Importer

As Trump imposes tariffs, these are the top-12 countries sending shipments

Source: U.S. Commerce Department

*Annualized based on data through October 2017

  主要7カ国(G7)は31日から3日間の予定で、カナダのウィスラーで財務相・中央銀行総裁会議を開く。ムニューシン米財務長官も参加する。

  ロス米商務長官はEUとの通商交渉に加え、カナダとメキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で十分な進展がなかったため、鉄鋼関税の恒久的な適用免除は認められないと判断したと説明。問題解決に向け、カナダ、メキシコ、EUとの「交渉継続に前向き」であり、反応を待っていると述べた。また、トランプ大統領は関税変更や撤廃、数量枠設定の権限を有しているため、今後、「柔軟性」を持たせる可能性があるとも語った。

トランプ米政権、EUとカナダ、メキシコへの鉄鋼関税発動へ

(ブルームバーグ)

  31日の米株式相場は下落。輸入関税を支持していた大手鉄鋼メーカーの株価は上昇した。

  EUは米輸入関税発表に先立ち、ハーレー・ダビッドソンのオートバイからリーバイ・ストラウスのジーンズ、バーボンウイスキーに至る米国製品33億ドル相当を報復関税の対象にすると示唆していた。EUとカナダは米国の輸入制限に関して、世界貿易機関(WTO)に提訴する意向を示した。

原題:U.S. Allies Hit Back as Trump Revokes Steel Tariff Reprieve (1)(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE