債券は上昇か、良好な需給環境が支え-米伊の政治情勢を見極め

  • 先物夜間取引は150円99銭で終了、前日の日中終値比2銭高
  • 今月の国債償還の手当てはやはり気になる-東海東京証

債券相場は上昇が予想されている。今月の利付国債大量償還を控える中、日本銀行がこの日に実施する国債買い入れオペで需給が一段と引き締まるとの観測から買いが優勢となる見通し。

  1日の長期国債先物市場で中心限月6月物は150円台後半から151円台前半にかけての推移が見込まれている。夜間取引は150円99銭と、前日の日中終値比2銭高で引けた。

  東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは、トランプ政権が関税発動を発表する一方、イタリアではコンテ氏の首相就任が固まったが、こうした材料を市場がすぐに消化するのは難しく、この日の相場は方向感が出にくいと予想。ただ、「昨日は超長期ゾーンは底堅く、やはり、今月の国債償還の手当ては市場では気になる」とみている。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の350回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値0.03%付近からやや下回る水準での推移が見込まれている。佐野氏はこの日の予想レンジを0.025%~0.03%としている。

  前日の債券相場は下落。イタリアの政治不安を背景に進んだ過度なリスク回避の動きが修正され、超長期債を中心に売り圧力が掛かり、利回り曲線はスティープ(傾斜)化した。新発20年債利回りは0.495%、新発30年債利回りは0.695%と、ともに約1カ月ぶりの水準まで低下していた反動が出た。一方、長期債は取引が手控えられ、新発10年債は今週2回目の取引不成立となった。

  31日の米国債相場は一進一退。米10年国債利回りは一時2.82%まで下げた後、1ベーシスポイント(bp)未満高い2.86%程度で引けた。米株式市場ではダウ工業株30種平均が1%安の24415.84ドル。ニューヨーク原油先物市場のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は1.7%安の1バレル=67.04ドルとなった。

  トランプ米政権は欧州連合(EU)とカナダ、メキシコ製の鉄鋼とアルミニウムへの関税を発動すると発表した。米鉄鋼輸入全体の約40%を占めるこの3カ国・地域は相次ぎ、報復措置を取ると表明した。トランプ政権は自動車輸入への関税も検討しているほか、中国製品500億ドル(約5兆4400億円)相当への関税も計画している。

  政局混乱が続いているイタリアではポピュリスト政党による連立政権樹立で合意に達し、政治経験のない法学教授のジュゼッペ・コンテ氏が首相に、エコノミストのジョバンニ・トリア氏が財務相に指名された。歳出拡大を打ち出した新政権の政策はEU規則への挑戦ともなりかねない。

国債買い入れオペ

  日銀はこの日の午前10時10分、残存期間5年超10年以下の長期国債買い入れを実施する。前回までのオファー額は4500億円だった。前日夕方に公表した当面の長期国債等の買い入れの運営方針では、年限ごとの1回当たりオファー金額のレンジ、回数とも5月からの変更はなかった。

日銀の国債買い入れオペの結果はこちらをご覧下さい。

  米労働省はこの日、5月の非農業部門雇用者数を発表する。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値(事業所調査、季節調整済み)は前月比19万人増。前月は16万4000人増だった。失業率は3.9%と、2000年12月以来の低水準となった前月から横ばいになると見込まれている。

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