Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

中国の資本フローに変化か、経常黒字縮小で-新興国市場にリスク

  • 中国の経常黒字は対GDP比2%弱、10年前から縮小-IMF
  • 貯蓄超過が細れば世界的に利回り上昇圧力も

批判が集中している中国の貿易黒字が縮小しつつある。世界の資本市場に回る中国の貯蓄超過も少なくなりそうだ。

  米金利上昇への対応に既に苦しむ新興国にとって、この見通しは新たな脅威となる。10年にわたる過剰な借り入れの後始末に新興国市場が追われ始める中で、中国による買い入れ能力が長期的に下がっていくことになれば、世界的に利回り上昇圧力がかかるかもしれない。

  米連邦準備制度のバランスシートが縮小し、利上げも進む中、指標となる10年物米国債利回りは今月、2011年以来の高水準に達した。ドル建てで多額の資金を借りていた国々には大きな負担となる。トルコ中央銀行は通貨の下支えを狙って緊急利上げを迫られ、アルゼンチンは国際通貨基金(IMF)に支援を求めた。ここ1週間は利回りが低下したが、需給動向が変われば急上昇することが分かるかもしれない。

  HSBCホールディングスのアジア経済調査共同責任者フレデリック・ニューマン氏(香港在勤)は「中国が強大かつ貪欲な銀行であり続ける可能性はあるが、貯蓄バッファーは細りつつある。世界の金利への影響に気付くか、これについてじっくり考える向きはほとんどない」と指摘。そのリスクは中国が蛇口を閉めれば、どこであれ資本コストが上昇し始めるという点であるに違いないと話す。

China's Shrinking Surplus

China's current account surplus has tumbled

Source: IMF

  IMFのデータによれば、中国の経常黒字は対国内総生産(GDP)比2%弱と10年前の9%超から縮小。今年1-3月(第1四半期)は珍しく経常赤字に陥った。IMFは23年までに中国の経常黒字が1320億ドル(約14兆3600億円)にとどまると予想している。

  経常収支の黒字分は資本勘定を通じて債券などの資産に回ることが多く、投資家にとって中国の経常収支動向は重要。経常黒字が縮小すれば、世界の市場に向かう資金も少なくなる。

  これは中国による国内消費の底上げと輸出依存低減の取り組み、中国人観光客の海外旅行増加を主因とするサービス収支の赤字拡大の結果だ。また、トランプ米大統領は中国の貿易が公平でないと批判しており、中国政府は輸入を後押ししている。

  この意味合いは、経常黒字の積み上げで世界最大の純債権国になった日本とは異なる道を中国が歩むことになりそうな点だ。日本の財務省が先週公表したデータによると、中国は昨年、債権国としてドイツに後れを取った。

原題:Shifting China Capital Flows Pose Risk for Emerging Markets (2)(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE