ドル・円は小幅安、伊政局・米通商政策に不透明感-月末資金フローも

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  • ドルは朝方の108円91銭から一時108円54銭まで下落、午後に下げ渋る
  • ドル・円、伊政局や米通商政策への警戒重し-ANZ
Photographer: Tomohiro Ohsumi

東京外国為替市場のドル・円相場は小幅安。イタリア政治情勢や米通商政策を巡る不透明感が強いことに加え、月末・月初のレパトリ(本国への資金還流)などの資金フローもあり、ドル売り・円買いが優勢となった。

  ドル・円相場は31日午後3時13分現在、前日比0.1%安の1ドル=108円77銭。朝方に付けた108円91銭から一時108円54銭まで下落した後、午後に入り下げ渋った。前日の海外市場では一時109円07銭と109円台を回復する場面があった。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)マーケッツ本部の吉利重毅外国為替・コモディティー営業部長は、「イタリア政局不安に対する過度なリスク回避はいったん落ち着いたものの、どう収束するかみえず、リスクを落とす動きは出ざるを得ない」と指摘。「米国がカナダとメキシコ、欧州連合(EU)に鉄鋼・アルミ関税を発動するとの報道もあり、米中貿易問題や自動車関税問題なども含め、米保護主義への警戒もドル・円の重しの一つ」と語った。

  米紙ワシントン・ポストによると、トランプ米大統領は31日にもカナダとメキシコ、欧州連合(EU)からの鉄鋼・アルミ輸入に関税を発動すると発表する計画だ。この日の時間外取引で米10年債利回りは一時2ベーシスポイント(bp)低下の2.84%程度に下げた。

  外為どっとコム総研の神田卓也取締役調査部長は、「全般的に円が強いのは警戒感がどうしても残っているということ。特にこれという決め手がないままにイタリア政局懸念緩和と言われてもにわかに信用できないという動き」と説明。「米雇用統計で6月の連邦公開市場委員会(FOMC)への注目度がさらに増してくればファンダメンタルズ方向へ目が向かう可能性はあるが、米中通商協議や米朝会談など6月初旬には政治ネタが控えている」と語った。

  31日の米国では4月の個人所得・支出(PCE)、中古住宅販売成約指数、週間新規失業保険申請件数などが発表されるほか、ブレイナード連邦準備制度理事会(FRB)理事、 アトランタ連銀のボスティック総裁、ダラス連銀のカプラン総裁が講演する。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.1%高の1ユーロ=1.1676ドル。一方、ユーロ・円相場はほぼ変わらずの1ユーロ=127円01銭で推移している。

  イタリアでは、ポピュリスト政党2党が連立政権樹立に向けた交渉を続けている。ステート・ストリート銀行の若林徳広在日代表兼東京支店長は、「イタリアは先行きEUとの関係は見えないが、消えてなくなる訳ではない。行き過ぎとの見方からイタリア国債入札結果は良かった」としながらも、「イタリア情勢は簡単に解決する訳ではない」と指摘。ユーロ・ドルは、「最近の下落の戻し。バリュエーションから拾いに行く参加者も出てくる」と語った。

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