【起債評価】地方債スプレッド横ばいへ-イタリア政治で金利低下加速

  • 前月と同じ国債カーブ+15bpを想定している、と複数の投資家語る
  • 新年度投資を本格化の地方勢も増え、販売懸念は全くないと引受会社

10年地方債の上乗せ金利(スプレッド)は6月も横ばいの公算だ。基準の国債利回りが低下する中、現状水準で投資家の需要は比較的堅調だ。

  複数の引受関係者は市場公募10年地方債について、6月の事前予約購入は比較的順調だと話した。流通市場は品薄で実勢は新発債程度で推移している。利率の基準金利となる10年国債利回りは5月半ばから低下に転じており、スプレッドは前月と同じ国債カーブ+15bpを想定していると複数の投資家が語った。大口投資家も購入の意向を示し、スプレッド拡大を求める声は聞かれなかった。

  上昇を続けていた米長期金利が5月下旬辺りから急低下、ほぼ同時に日本の10年国債利回りも下がり、イタリアの政治不安でこうした低下に拍車がかかった。10年地方債スプレッドは日本の国債利回り上昇で2月に15bpに下がったが、いまの金利水準だと6月も横ばいの可能性が高い。新年度のニューマネーが流入していることで、スプレッド上げを求める投資家の声は強くない。

  ある引受会社関係者は10年地方債について、新年度の投資活動を本格的に開始する地方投資家も6月になり増え始め、販売懸念は全くないと語った。また、ある投資家は銘柄により販売の差はあるようだが、流通市場での売り物は限られ利率0.2%にこだわっていたら買いそびれるリスクがあると語った。0.2%は10年地方債の人気の分水嶺だったが、新年度は投資家目線が下がっている。

5年債も横ばい

  利率で条件決定する5年地方債も、6月は横ばいの0.03%の公算が大きい。事前予約状況は順調だ、と複数の引受関係者が話した。利率は5月に1年1カ月ぶりに下がったばかりで、需要が旺盛といえども2カ月連続の利率下げには慎重論が根強い。

  5年債の投資家は限定的で、複数の大口投資家の不参加は募残に直結する。複数の引受関係者はまずは下がったばかりの0.03%に対する市場の信任を改めて確認しながら、0.02%の可能性を探ることになるだろうと話した。

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