1-3月期の設備投資は6期連続プラス、市場予想を上回る

更新日時
  • 設備投資額は前年同期比3.4%増の14兆7720億円-予想は3.1%増
  • GDP改定は小幅な上方修正にとどまるとニッセイ基礎研の斎藤氏

財務省が1日発表した法人企業統計によると、1ー3月期の全産業(金融・保険を除く)の設備投資は、前年同期比で6期連続のプラスとなった。市場予想を上回った。

キーポイント

  • 設備投資額は前年同期比3.4%増の14兆7720億円(ブルームバーグ調査の予想中央値は3.1%増)-前期は4.3%増
  • 国内総生産(GDP)改定値に反映されるソフトウエア除く設備投資は同2.1%増の13兆4355億円(予想は3.8%増)-前期は4.7%増
  • 全産業の売上高は同3.2%増の361兆7780億円-前期は5.9%増
  • 全産業の経常利益は同0.2%増の20兆1652億円、1-3月として過去最高-前期は0.9%増

背景

  1-3月期の実質国内総生産(GDP、速報値)では、設備投資は前期比0.1%減と6期ぶりにマイナスに転じた。大雪などの悪天候で個人消費が低迷し輸出も減速したため、GDPも同0.2%減(年率0.6%減)と9期ぶりのマイナス成長に陥った。8日発表されるGDP改定値では、法人企業統計のソフトウエアを除く設備投資が反映される。

  輸出主導の回復を続けてきた日本経済にとって、米の通商政策は懸念材料だ。トランプ米政権は5月、乗用車とトラックの輸入が米国の安全保障を脅かすかどうかの調査を開始。結果次第では、自動車輸入への新関税につながる可能性がある。3月には鉄鋼とアルミニウムの追加関税措置も導入された。

  政府は5月の月例経済報告で、設備投資は「緩やかに増加している」との基調判断を維持した。企業収益の改善を受け、先行きも「増加していくことが期待される」との見方だ。4月公表の日銀短観によると、2018年度の全規模・全産業の土地を除いた設備投資は前年度比2.0%増となる見込み。

エコノミストの見方

  • ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長は、法人企業統計を受けたGDP改定では、従来の年率0.6%減から0%程度への小幅な上方修正にとどまるとの見方を示した。経常利益は高い水準を維持しているが、賃金上昇につながるかどうかは不透明だという。
  • JPモルガン証券の足立正道シニアエコノミストは4-6月期も設備投資は増加するとみている。収益が好調で経済が拡大基調にある中、「ここで投資をしないというのは企業としてはあり得ない」と述べた。
  • 農林中金総合研究所主席研究員の南武志氏は、「いったん景気が足踏みしたことが企業業績や企業行動からも確認できた」と話した。円高や保護主義的な通商政策を受けて「若干企業行動が慎重化した」と分析した。

詳細

  • 設備投資は、製造業では情報通信機械や生産用機械などの生産能力増強投資が寄与、非製造業では運輸の船舶更新や不動産やサービスでのオフィスビル建設などが寄与
  • 経常利益
    • 非製造業は3期ぶり増益-卸売業は資源価格上昇、運輸や電気は値上げで採算改善
    • 製造業6期ぶり減益-輸送用機械や電気機械などは円高影響で利幅縮小
  • 利益剰余金は過去最高の426兆7376億円
(エコノミストコメントを差し替え、詳細を追加しました.)
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