Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本株反発、イタリア懸念緩和と中国需要期待

更新日時
  • イタリアは国債入札も無難通過、中国に日用品の関税引き下げ観測
  • 東証1部売買代金は4兆円超え、MSCI指数リバランスが影響

31日の東京株式相場は反発。イタリアの政治不安に対する警戒が和らいだほか、中国の日用品の関税引き下げ観測から今後の需要増加を見込む買いが入った。輸送用機器や精密機器など輸出株、資生堂や花王など化学株が高い。ニューヨーク原油市況の反発で石油、商社株も上げた。

  TOPIXの終値は前日比11.32ポイント(0.7%)高の1747.45と9営業日ぶりに上昇、日経平均株価は183円30銭(0.8%)高の2万2201円82銭と3日ぶりに反発した。

  三菱UFJ国際投信・戦略運用部の石金淳チーフストラテジストは、「イタリア大統領が反EUではない連立政権樹立の方向に動いており、市場は今後のユーロ離脱など最悪事態は免れたと想定している。五つ星党首がEU離脱を望まないと明言したことも好感した」と言う。また、イタリア国債の入札が低調とならず、「資金流出に歯止めがかかったこともプラス」と話した。

東証外観

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  イタリアのマッタレッラ大統領は30日、次期首相に指名されている国際通貨基金(IMF)元高官のコッタレッリ氏、五つ星のディマイオ党首と非公式に会談した。政府高官によると、コッタレッリ氏の実務内閣は発足する用意が整っている。

  同日のイタリア5年・10年債入札では堅調な需要が確認されたこともあり、リスク回避の巻き戻しからイタリア株は6営業日ぶりに反発。米国でもダウ工業株30種平均が300ドル以上上げた一方、10年債利回りは2.86%と7ベーシスポイント上昇した。

  海外市場の動きから投資家心理が好転、きょうの日本株は朝方から反発し、日経平均は午後に上げ幅が一時200円を超えた。11カ月ぶりのユーロ安・円高水準に振れていた為替が、きょうは1ユーロ=127円台と前日の日本株終了時125円台半ばから円安で推移したことも好材料。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、今回の金融市場の不安定化で欧州中央銀行(ECB)の量的緩和策延長の観測も出てきたと指摘。このため、「きのうのユーロ安・円高のショックで売り込まれた日本株には買い戻しが膨らんだ」とみている。

  また、中国政府が日用品の輸入関税を7月から引き下げる、と中国国営ラジオの中央人民放送が報じたことも午後にかけ強含んだ一因だ。三菱国際の石金氏は、「個人消費の拡大を狙った中国の関税引き下げは、信頼の高い日本製品の需要拡大に貢献する」との見方を示した。国家統計局がこの日発表した中国5月の製造業購買担当者指数(PMI)は51.9と4月の51.4から上昇、エコノミスト予想も上回った。

  きょうの取引終了時は、世界的な株価指数のMSCI指数の定期銘柄入れ替えに伴うリバランスがあり、パッシブ運用ファンドなどからの売買が膨らみ、東証1部の売買代金は4兆円を超え、2月7日以来の高水準となった。

  東証1部33業種は石油・石炭製品、ガラス・土石製品、精密機器、その他製品、化学、卸売、医薬品、サービス、食料品など27業種が上昇。下落は空運やパルプ・紙、海運、電気・ガスなど6業種。売買代金上位では、ゴールドマン・サックス証券が黒鉛電極の追加値上げが近いと予想した東海カーボン、JPモルガン証券が目標株価を1万円に上げた資生堂、自社株買いと消却が好感された住友大阪セメントが高い。半面、サイバーエージェントや第一三共、クレディ・スイス証券が投資判断を下げたシスメックスは安い。

  • 東証1部の売買高は22億6414万株、売買代金は4兆4334億円となり、それぞれ前日から42%、60%も増えた
  • 値上がり銘柄数は1200、値下がりは796
(5段落文末の「低下」を「上昇」に訂正.)
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