オリックス:欧州で再生エネ参入、M&A攻勢で4000億円案件も

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  • 独、仏、英や北欧諸国を中心に積極的に検討している-錦織専務
  • 単独買収は最大1000億円前後、メガ案件は年金基金など投資家と組む

オリックスは欧州で太陽光・風力発電といった再生可能エネルギー事業に参入する。企業の合併・買収(M&A)などを活用して早期に一定の存在感を確立する意向で、すでに数百億円から約4000億円まで数件の案件を検討している。1月に開設した英ロンドンの拠点を足掛かりにする。

  オリックスで環境エネルギー部門を統括する錦織雄一専務は先週のブルームバーグとのインタビューで、規制の多い国内の成長は「頭打ちで次の3年は海外で成長を図らざるを得ない」とし、中でも欧州は「再生エネルギーの市場が成熟している。リターンは非常に低いが長期投資家の資金が激しく流入している」と評価。特に再生エネ先進国であり、関連企業の層も厚い独、仏、英や北欧諸国の案件を中心にM&Aを積極検討していると明かした。

  具体的には、再生エネ関連の開発会社に興味があり、30億ユーロ(約4000億円)の大型案件を含め数件を検討している。陸上風力発電関連が多いという。錦織専務は「できれば今年度中に1件形にしたい」と意欲をみせた。単独買収は最大1000億円前後とし、メガ案件は年金基金などの機関投資家と組んで手を挙げるとした。17年にアジアで再生エネ事業会社に応札した時も蘭APGグループなどと組んでいる。同社の単独での過去最大の買収案件は蘭運用会社ロべコの約2400億円。

  また、もう少し小規模の案件で、日本の再生エネ事業に応用できそうな技術やサービスを持つ企業の買収も検討したいとした。英国拠点は同社の欧州本社に当たるオリックスヨーロッパ傘下で環境エネルギー事業の欧州拠点。6人体制で5月から本格稼働している。英国の欧州連合離脱(ブレグジット)の影響は、再生エネ分野に関しては現時点ではあまりないとみているという。 

早期に2倍

  オリックスの前期(2018年3月期)決算によると、環境エネ事業を含む事業投資事業部門のセグメント利益は前年同期比13%増の961億円。錦織専務は環境エネ事業について、早期に現時点の業績の約2倍に当たる「資産1兆円、税前利益600億円を目指したい」とし、そのためには欧州に限らず、現在20%弱の海外収益比率を「3分の1位まで引き上げる必要がある」との認識を示した。

  同社は昨年、地熱発電大手の米オーマット・テクノロジーズに約700億円出資、筆頭株主(22%)となった。錦織専務は海外ではこうしたマイノリティ出資に加え、今後は発電事業会社の買収や本体が進出する形での事業拡大も並行したい意向を示した。実際に台湾で同社が事業主体として太陽光発電所を建設する予定という。欧州以外のM&Aの重点地域としてアジアを挙げ「アジアは案件が少ないが、土地勘はあるし人材の配置もしやすい。欧州とバランスを取って強化したい」とした。

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