ドル・円は108円台後半、イタリア震源のリスク回避に一服感

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  • イタリアリスクの悪材料はいったん織り込んだ形-三菱UFJ信託
  • ユーロは徐々に下値追いのムードは弱まる可能性も-ソシエテ

東京外国為替市場のドル・円相場は午後の取引後半から1ドル=108円台後半で推移。前日の流れを引き継ぎイタリア政局を嫌気したリスク回避の円買いが先行したものの、取引終盤にかけては欧州勢入りとともにリスク回避ムードに一服感が出た。

  ドル・円相場は30日午後4時13分現在、前日比ほぼ横ばいの1ドル=108円80銭。前日の海外時間にリスク回避の株安・債券高となったのを受けて、約1カ月ぶりの水準まで売られた流れが継続する中、日本株の取引開始前に一時108円35銭まで下落。その後はイタリア大統領による発言を受けてユーロ主導でユーロ・円が上昇すると、ドル・円も108円89銭まで日中高値を更新した。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部為替課の池島俊太郎課長は、足元の相場の動きについて「悪材料をいったんは織り込んだ形になった」と指摘。イタリアのマッタレッラ大統領が再選挙について真夏を避けたい意向を示したことが報じられると、「早いタイミングでの選挙が避けられるという安心感で、ユーロが全般的に買い戻され、ドル・円もユーロ・円の上昇に押し上げられた」と説明した。ただ、イタリアの政治リスクが長期化する可能性は残っていることから、「大きな反転は見込みづらい」との見方を示した。

  イタリア紙コリエレ・デラ・セラが情報源を示さずに報じたところによると、マッタレッラ大統領はコッタレッリ氏率いる実務者内閣が議会の信任を得て2019年予算のための法案を通過させられるよう望んでいるとし、その場合の選挙は10月になると伝えている。
  
  ユーロ・ドルは同時刻現在、前日比0.3%高の1ユーロ=1.1576ドル。前日は一時1.1510ドルと昨年7月20日以来の水準まで下落。ユーロ・円は0.4%高の1ユーロ=125円95銭で、前日は昨年6月26日以来の124円62銭まで売られていた。

  ソシエテ・ジェネラル銀行の鈴木恭輔為替資金営業部長は、ユーロについて「目先はイタリアにしてもスペインにしてもテールリスクを織り込んだ形になっており、ここからは政治問題だけに時間がかかるため、下値追いのムードは徐々に弱まるのではないか」と指摘。その上で「前日の安値付近でしっかりとした需要が確認できており、下落のスピードは早かったが前日安値付近が再度支えられるかがポイントになりそう」と述べた。

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