【個別銘柄】金融や欧州関連安い、レオパレスは大幅安、任天堂は上昇

更新日時
  • 銀行や保険は米金利低下嫌気、イタリア政治混迷で欧州関連に売り
  • 任天堂はポケモン効果で上昇、レオパレスはブランドき損など懸念

30日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  金融株:三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が前日比3.4%安の661円、第一生命ホールディングス(8750)が2.8%安の2026.5円など。保険、銀行は東証1部33業種の下落率上位。政治の混迷からイタリア国債が売り込まれる一方、米国債には逃避的な買いが集まり、29日の米10年債利回りは2.78%と15ベーシスポイント急低下。岩井コスモ証券投資調査部の有沢正一部長は、米長期金利の低下で利ざや改善期待が後退したことに加え、景気敏感な金融株は米中貿易摩擦や欧州の政治不安から世界景気への影響が懸念されて下げているとの見方を示した。

  欧州関連株:DMG森精機(6141)が4.8%安の1814円、竹内製作所(6432)が4.5%安の2439円、日本板硝子(5202)が2.2%安の1075円など、欧州経済の影響を受けやすい銘柄が総じて安い。イタリアの政治問題の深刻化で減速傾向にある欧州景気の先行き不透明感が高まっていることに加え、ユーロ安・円高の進行による採算悪化も懸念された。

  レオパレス21(8848):8.6%安の753円。施工したアパートの一部で建築基準法違反の疑いが判明したと公表。290棟中38棟で、必要でありながら小屋裏の「界壁」を施工していないか、不十分だったとし、来年6月までに施工した全3万7853棟を調査し、問題が確認されたものの補修工事をする。バリューサーチ投資顧問の松野実社長は、ブランド毀損(きそん)で今の顧客だけでなく今後見込める客層が離れる可能性が高く、早急に誠実な対応が必要と指摘。調査結果次第では修復や補償などの経費で業績への影響が無視できない規模になる可能性があるとの見方も示した。

  任天堂(7974):4.3%高の4万4240円。ゲーム機ニンテンドースイッチ向けに「ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ」と「ポケットモンスター Let’s Go! イーブイ」を11月16日に発売すると30日午前に発表。価格はいずれも5980円。同時に専用コントローラー「モンスターボール・プラス」を4980円で発売することも明らかにした。ポケモン公式アカウント「ポケモン情報局」が同日午前、「ポケモンに関する重大発表があるようです」とツイート後、下落していた同社株は上昇に転じた。

  宇部興産(4208):4.8%安の3170円。連結子会社の関東宇部コンクリート工業が製造する生コンクリートについて、建築基準法に基づく国土交通相認定、JIS認証で使用することとなっていた伊佐産の骨材と異なる鳥形産が混入していたとし、14日から出荷を自粛したと発表。野村証券は、出荷自粛で販売数量は減少するが、鳥形産は首都圏の他の工場で広く使用され、訴訟リスクも小さいことなどから、現時点で全社業績に与える影響は軽微と判断、ただしコンプライアンスの観点で対策が求められ、体質改善は必要との認識を示した。

  UACJ(5741):2.7%安の2525円。ゴールドマン・サックス証券では、タイ、北米、日本の主要拠点で生産性向上に苦労する状態が続いており、矢継ぎ早に行ってきた設備投資の収益化に時間がかかっていると分析。会社側は下期に歩留り改善などで大きく利益が伸長するシナリオを描いているが、過去のトラックレコードから現時点でそうしたシナリオを織り込むのは時期尚早とした。目標株価は2650円から2400円へ下げ、投資判断は「中立」継続。

  マクセルホールディングス(6810):1.9%高の1805円。29日午前に行われた事業説明会についてSMBC日興証券では、2021年3月期の営業利益目標150億円のうちオーガニック成長を120億円としているが、ポテンシャルは120億円より大きい印象と指摘。今回の説明会ではプロジェクター新製品の投入を前倒しし、今期中の黒字化を目指すほか、新規参入するラミネート型リチウムイオン電池(LiB)はセル工程で外部委託を活用、稼働リスクが少ないビジネスモデルを選択することが新たに示されたという。

  伊藤忠テクノソリューションズ(4739):2%安の1965円。東海東京調査センターでは19年3月期は無難な印象の会社計画(営業利益は前期比7.3%増の350億円)を若干上回る程度の着地(352億円)を想定、20年3月期以降についても現段階では業績のけん引役が明確に確認されないと指摘。21年3月期を最終年度とする新中期経営計画は、営業利益の年平均成長率10%前後を掲げる競合他社の新中計と比較すると、特段ポジティブサプライズ感はなく、買い材料が見当たらないとした。

  ゴールドクレスト(8871):4.9%安の1916円。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は投資判断を「買い」から「ホールド」、目標株価を3950円から2250円に下げた。建築費の高止まりや工期の長期化により19年3月期以降のマンション引渡戸数は同証が予想していた増加ペースを大幅に下回り、中期的にも業績が伸び悩むと分析。19年3月期営業利益予想を125億円から70億円(会社計画67億円)、20年3月期を135億円から75億円に減額した。

  保土谷化学工業(4112):9.8%安の3635円と反落し、東証1部値下がり率1位。米アップルが19年にリリースする全てのiPhone(アイフォーン)の新型モデルに有機ELを採用するとの前日の一部報道について、ゴールドマン・サックス証券は、わずか数週間前の日系関連メーカーの決算から、19年にLCDのiPhoneが全てなくなると想像するのは現時点で困難と指摘。有機ELモデルがどれくらい増えるかは、ことしの新モデルの売れ行きが決めるだろうとし、現時点で19年モデルを断定的に論じること自体が難しいとした。

  ヨシックス(3221):11%高の3545円。いちよし経済研究所はフェアバリューを3600円から4300円、投資判断を「中立」から「買い」へ上げた。この数年新規出店を加速しても総資産経常利益率など収益性が向上、投資回収期間が短縮化されているとし、中期的にも収益性の改善が期待できると評価した。

  gumi(3903):3.8%高の978円。仮想通貨・ブロックチェーン事業に参入すると30日発表。参入に先駆け連結子会社が仮想通貨ファンドを組成、仮想通貨やブロックチェーン技術を用いたサービスなどを提供する企業への投資を開始していることも明らかにした。ファンド総額は最大3000万ドル、存続期間約3年。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE