債券上昇、イタリア政情不安や超長期の需給逼迫感で-高値警戒も強い

更新日時
  • 新発20年債と30年債利回りは約1カ月ぶり水準まで低下
  • 日銀オペ、金利低下しても減額できないリスク意識-メリル日本証

債券相場は上昇。イタリアの政治情勢を巡る不透明感を背景にしたリスク回避の動きから買いが先行し、日本銀行が実施した国債買い入れオペで超長期債の需給逼迫(ひっぱく)感が示されたことも相場を支えた。

  30日の長期国債先物市場で中心限月6月物は、前日比13銭高の151円10銭で取引を開始し、一時151円13銭と、日中取引ベースで3月2日以来の高値を付けた。午後には高値警戒感から上値の重い展開となり、結局は7銭高の151円04銭で引けた。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「日銀は市場の臆測を避けるために金利低下が進んでも買い入れを減額できないというリスクの方が意識されやすく、円債を買っても怖くない状況になっている」と指摘。ただ、「イタリアの情勢もさすがにギリシャのようにデフォルトリスクがあるとみる市場関係者は恐らくいないと思われ、積極的に買う動きもなく、10年債利回りのゼロ%を目指していくという展開も見込みにくい」としている。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の350回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)低い0.025%で寄り付き、午後4時前後には0.03%を付けた。

  超長期ゾーンでは新発20年債利回りが一時1bp低い0.495%、新発30年債利回りは2bp低い0.695%まで下げ、ともに4月19日以来の低水準を付けた。その後はそれぞれ0.50%、0.705%と低下幅を縮めた。

  メリル日本証の大崎氏は、「買わざるを得ない状況というのは変わらないと思うが、10年はここ最近の下限の0.03%割れ、20年は0.50%を割れたところでそれぞれ止まっている」と話した。

  29日の米国債相場は急伸し、10年債利回りが前営業日比15bp低い2.78%で引けた。欧州債市場ではイタリア国債が売られ、10年債と2年債の利回りスプレッドは2011年以来の水準に縮小。一方、資金の逃避先となったドイツ国債の10年物利回りは一時0.2%を下回り、17年4月以来の水準まで低下し、前日比8bp低い0.26%で引けた。

イタリアの政局に関する記事はこちらをご覧下さい。

日銀オペ

  日銀はこの日、長期と超長期ゾーンを対象とした国債買い入れオペを実施した。オファー額は5年超10年以下が4500億円、10年超25年以下が1900億円、25年超が700億円と、それぞれ前回から据え置かれた。オペ結果では10年超25年以下の応札倍率が1.86倍と、2017年7月以来の低水準となった。

過去の日銀オペの結果はこちらをご覧下さい。

  メリル日本証の大崎氏は、オペ結果について、「あまり売りが出ないということが確認された」と指摘。「相場が動かない状況であれば、特に20年債はキャリーロールもあり、徐々に売りが減っていくのではないか」とみる。

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