米セントルイス連銀総裁:追加利上げ回避を、景気下降につながる恐れ

  • 逆イールドを招くほど積極的に利上げを推し進めるべきでない
  • 逆イールドはしばしば景気下降の前触れとなっていた

ブラード総裁

Photographer: Akio Kon/Bloomberg
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

米セントルイス連銀のブラード総裁は29日、インフレ期待を2%前後に再調整し、金融当局の物価目標への信頼性を維持するため、当局として政策正常化のペースを緩めるべきだとの考えを示した。

  訪日中のブラード総裁は東京でのセミナーでの講演テキストで、「米国のインフレ期待が引き続き若干低めの水準にとどまっていることは、インフレ率を目標近くに保つためにさらなる正常化は必要でない可能性があることを示唆している」と分析。「今後の合理的な政策は正常化のペースを緩めるというものかもしれない」と指摘した。

  ブラード総裁は、積極的に利上げを推し進めれば長短金利の逆転を招きかねず、逆イールドが生じれば市場は景気下降の前触れと受け止める可能性があると指摘した。ダラス連銀のカプラン総裁やアトランタ連銀のボスティック総裁も同様の懸念を抱いている。

  ブラード総裁は、「連邦公開市場委員会(FOMC)は逆イールドを招くほど積極的になる必要はない。米名目金利の利回り曲線は今年か来年に逆イールド状態になり得る。そうなれば米マクロ経済見通しに弱気のシグナルとなるだろう」と述べた。

  ブラード総裁によれば、米金融政策は既に中立に近い状態となっており、インフレ率は上下どちらにも圧力を受けていない。また、米経済は低成長が続いているため、大幅な利上げの必要性はほとんどないとも語った。ブラード総裁はこの2年間、最もハト派的な当局者だった。

  連邦準備制度理事会(FRB)が23日公表したFOMC会合(5月1-2日)の議事録によると、経済が予想通り推移すればFOMCは「近く」追加利上げを実施する可能性が高い。投資家は6月の利上げを予想しているが、今年下期の利上げの見通しはより不透明だ。

  FOMCは2015年12月からの現行の引き締めサイクルで計6回の利上げを実施。3月の予想では、経済見通し改善とインフレ加速が進む中、FOMCは年内の追加利上げ回数を2回にすべきか、3回にすべきかで割れていた。

  ブラード総裁は今年のFOMCで投票権を持たない。

原題:Fed’s Bullard Warns Against Rate Hikes Amid Low Inflation Bets(抜粋)

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