中国の影の銀行、当局の取り組みが進展-完全制御にはまだ長い道のり

  • 銀行間借り入れや資産運用商品の分野で対策が奏功
  • 金融機関は資金調達で規制を回避する新たな方法を探る
TOPSHOT - A woman holding an umbrella walks on a street in Beijing on May 24, 2017. Moody's on May 24 slashed China's credit rating for the first time in almost three decades citing concerns about the country's rising debt and slowing growth, but Beijing rejected the downgrade as "inappropriate". / AFP PHOTO / FRED DUFOUR (Photo credit should read FRED DUFOUR/AFP/Getty Images) Photographer: FRED DUFOUR/AFP

中国の金融業界で最もリスクの高い分野であるシャドーバンキング(影の銀行)業界を制御しようとする中国当局の取り組みが進展している。10兆ドル(約1090兆円)規模の同分野はこの1年間縮小してきたが、今後も長期にわたる闘いが待っている。

  マッコーリー証券のエコノミスト、胡偉俊氏(香港在勤)は「長い旅に向けてよいスタートを切った」とした上で、「影の銀行の一部は縮小しており銀行間のレバレッジも下降し始めた。ただ、この仕事が完了したと宣言できる段階には程遠い」と述べた。

  取り組みが奏功しているのを端的に示しているのは、国内総生産(GDP)に占める影の銀行の資産比率が昨年、急上昇から低下に転じたことだ。ムーディーズ・インベスターズ・サービスによると2016年の比率は87%と、5年間で2倍に上昇したが、17年には79%に下がった。

Out of The Shadows?

Shadow banking's share of GDP declined for the first time since 2011

Source: Moody's Investors Service

  影の銀行への対策で鍵を握るのが高利回り資産運用商品の販売規制と、金融機関同士の隠された相互依存性を減らす取り組みだ。銀行が販売する富裕層向け資産運用商品は10年から16年に爆発的な成長を見せたが、17年には微増にとどまった。また他の金融機関からの銀行借り入れが今年、若干減少していることも、ささやかではあるが当局者のこれまでの成功を浮き彫りにしている。 投資ファンドや証券ブローカーなどノンバンク向けの融資は何層もの貸し出しを生み出し、レバレッジを高めていた。

  一方、金融機関は規則を回避する新たな方法を探っている。資産運用商品への対策で重要なポイントは中国預金者向けの高リスク商品への暗黙の保証を禁止することだが、銀行はデリバティブ(金融派生商品)の特徴を備えた仕組み預金の発行を増やした。その多くは預金者に高利回りを提供し続ける手段として、絶対に行使されそうにないオプションを付けている。

  当局のデータによると、仕組み預金の発行は3月までの1年間に約47%増えて8兆8000億元(約150兆円)と、過去最高に達した。今年これまでに1兆8000億元以上が上積みされている。

  預金の人気は中国の五大銀行が短期借り入れの手段である譲渡性預金をこぞって販売していることでも見て取れる。

Surging Issuance

China's top five banks are increasingly dependent on negotiable certificates of deposit

Source: Bloomberg

  預金の奪い合いが中国の短期金利の上昇につながり、中国の借り手の制約が増える恐れがある。クレジット市場では既に苦境のシグナルが出ている。財務基盤の弱い借り手が借り換えに苦慮する中で、中国の国内債券市場では今年これまでに約7社がデフォルトに陥った。

Deleverage Pain

Number of first-time defaulters so far this year already exceeds 2017

Source: Bloomberg

原題:China’s $10 Trillion Shadow Bank Crackdown Has a Long Way to Go(抜粋)

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