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日本株は下落、イタリア政治不安と円高嫌気-輸出、素材中心広く売り

更新日時
  • TOPIXは7日続落、4月23日以来の安値水準に沈む
  • 為替市場で円が対ユーロで11カ月ぶり、対ドルで3週ぶり高値に

29日の東京株式相場は下落。イタリアの政治不安から為替市場では対ユーロやドルで円高基調が強まり、企業業績に対する楽観的な見方が後退した。電機や精密機器など輸出株、非鉄金属など素材株中心に幅広い業種が安い。証券や銀行など金融株も売られた。

  TOPIXの終値は前日比8.57ポイント(0.5%)安の1761.85と、2016年9月に記録した7日続落に並んだ。水準は4月23日以来、約1カ月ぶりの安値。日経平均株価は122円66銭(0.5%)安の2万2358円43銭と3営業日ぶりに反落。

  三井住友トラスト・アセットマネジメントの小田誠志リサーチ運用部長は、「イタリアの政局混乱により為替市場でユーロが下落、円が対ドルも含め上昇しており、今期の企業業績押し上げ期待が一気にしぼんだ」と指摘。ユーロ圏の総合購買担当者指数(PMI)も1月にピークを付けてから4カ月連続で低下するなど、「景況感が悪化しているタイミングで政治不信が高まったこともユーロ安・円高や株安を増幅させた」とみている。

東証内

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  イタリアではポピュリスト政党が連立政権の樹立に失敗し、早ければ秋にも再選挙となる可能性が高まった。マッタレッラ大統領は、財政規律派のエコノミストであるコッタレッリ氏に再選挙までの暫定政権の組閣を委ねた。

  28日の欧州株はイタリアのFTSE MIB指数が2%以上下げ、イタリア国債のドイツ国債に対する上乗せ金利(スプレッド)は急上昇している。スペインでは新興の中道右派政党、シウダダノスのリベラ党首がラホイ政権に対し議会を解散して総選挙を実施しなければ、退陣に追い込むとラホイ首相に最後通告した。

  欧州政治の不透明感から為替市場では、一時1ユーロ=126円50銭台と昨年6月以来、11カ月ぶりのユーロ安・円高に振れ、ドル・円も1ドル=108円90銭台と3週ぶりのドル安・円高水準となった。東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、「欧州は景気が減速気味だったところに政局混迷が重なり、金融市場はグローバルにリスクオフで反応しやすい」と指摘。今後は、欧州で生産や国内総生産(GDP)などの指標が悪化する可能性が高く、「2009年から12年のユーロ危機と同様、市場の混乱が長引く恐れがある」と警戒感を示した。

  きょうの日本株は売り先行で始まり、日経平均は一時240円(1.1%)安まで下げ幅を拡大。三井住友トラストの小田氏は、米国で景気回復が持続する半面、日本や欧州、中国の景気不安がくすぶり、「マクロ系ファンドなどの売りで下げが拡大した」と言う。

  東証1部33業種はパルプ・紙、非鉄金属、その他金融、証券・商品先物取引、鉄鋼、繊維、海運、銀行、電機など29業種が下落。上昇はその他製品、医薬品、陸運、食料品の4業種。売買代金上位では、米アップルが19年の新型iPhone(アイフォーン)全てに有機ELを採用すると韓国の電子新聞が報じ、ジャパンディスプレイやシャープ、ミネベアミツミなど液晶関連銘柄が安い。生産設備再編で今期は最終赤字と減配を計画した日本製紙は大幅安。これに対し、利益計画を上方修正した東海カーボン、有機EL関連の保土谷化学工業や平田機工は高い。

  • 東証1部の売買高は13億1193万株、売買代金は2兆355億円
  • 値上がり銘柄数は507、値下がり1499
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