円下落、米朝会談開催期待で売り先行-伊政治不安一服でユーロは上昇

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  • ユーロ・円は一時2カ月ぶり大幅高、イタリア組閣断念を好感
  • ドル・円は一時109円台後半、その後伸び悩む
Photographer: Tomohiro Ohsumi
Photographer: Tomohiro Ohsumi

東京外国為替市場では円が下落。米朝首脳会談開催への期待からリスク回避圧力が和らぎ、クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)中心に円売りが先行した。ドル・円相場は一時1ドル=109円台後半を回復。イタリア政治不安の一服からユーロは対円で大幅高となった。

  円は午後4時10分現在、主要16通貨のうち14通貨に対して前週末比で下落。ドル・円は変わらずの109円42銭。午前の取引早朝に109円83銭まで上昇した後に、一時109円32銭まで反落したものの、午後終盤にかけてやや戻している。

  ユーロ・円は一時0.9%高と約2カ月ぶり大幅高。イタリアのマッタレッラ大統領がユーロ懐疑派のエコノミストの財務相就任を拒否し、次期首相候補が組閣を断念したことがひとまず好感され、一時1ユーロ=128円54銭までユーロ買い・円売りが進んだ。

  JPモルガン・チェース銀行の佐々木融市場調査本部長は、ユーロ・円について「イタリアの情勢もだいぶマーケットは織り込んできている感じがあるし、一方で北朝鮮とはどうやら会談をやりそうな雰囲気になっているので、だいぶ下値がみえてきている感じはする」と説明。米朝首脳会談開催までは期待感が高まって「円の売り戻し圧力になりやすい」とし、ドル・円も「もう一回111円台の方に戻ってくるのではないか」と話した。  

  トランプ米大統領は27日、いったん中止を決めた米朝首脳会談が実現の方向に向かっていることを示唆した。聯合ニュースは、北朝鮮代表団がきょうシンガポールに向かう可能性があると報じた。

  三菱UFJ銀行金融市場部為替グループの野本尚宏調査役は、円売りの背景として「米朝会談が進みそうなこと、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が自動車関税が米雇用に良くないと述べたこと、イタリアが組閣に失敗し政治不安が高まった一方でユーロ離脱リスクが遠のいたこと」が好感されたと説明。ただ、「政治的な問題は決着がどうなるか不透明で、ドル・円をロングにいけるところまでには至っていない」と話した。

  ユーロ・ドルは一時0.7%高の1ユーロ=1.1728ドルまで上昇。イタリア紙コリエレ・デラ・セラは、同国のポピュリスト政党「五つ星運動」と「同盟」が、実務者内閣擁立を目指すマッタレッラ大統領の計画を阻止できた場合、9月の第2日曜の総選挙実施を示唆していると報じた。

  みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストと山内聡史マーケットアナリストはリポートで、首相候補の組閣任務返上を好感してユーロは上昇しているが、イタリアが再選挙となれば「五つ星運動」や「同盟」の勢力がさらに拡大する可能性が高く、当面は不安定な政治情勢が続くと予想。また、ユーロ圏ではインフレ低迷と景気減速が進行しており、「ここからのユーロの上昇余地は限定的で、再下落リスクが大きい」との見方を示した。 

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