りそなHD、1000億円の大型CSR私募債募集

Photographer: Kiyoshi Ota
Photographer: Kiyoshi Ota

環境や社会、企業統治の視点を投資先選定に取り入れる「ESG投資」の広がりを受け、りそなホールディングスは6月に1000億円を上限とした寄付型の社債「CSR私募債」の発行募集を開始する。1000億円は邦銀グループの募集額として過去最大という。

  CSR私募債の受託は地銀を中心に広がっているが100億-200億円程度が多い。今回破格の設定額となったことについて、東和浩社長はブルームバーグのインタビューでESGに対する「中小企業の意識は想像以上に高い」と述べた。主要顧客である中堅・中小企業の社会貢献を支援するのが狙いで、企業は発行額の0.1%を寄付する仕組み。

  東社長は寄付型社債が人気化している背景として「今やESGへの取り組みが業績に直結するとの認識が浸透している」点を指摘した。例えば取引先の海外企業で児童労働が発覚したらサプライチェーンが突然遮断される可能性もあるため、企業としてはCSR私募債で手軽に社会的貢献することでそうした事態を回避したいとのニーズがある。りそなは発行に合わせてCSR活動のノウハウなどを提供、顧客サービスの差別化を狙う。

  現在りそなHDは傘下3行で大阪万博の誘致支援などを目的としたCSR私募債を受託しているが、200億円の目標に対し、すでに2.7倍の548億円を集めている。新ファンドは万博ファンドの後継商品。財務など一定基準をクリアした企業が私募債を発行し、全額をりそなが引き受けるため、実質的に長期融資と同じ効果を持つ。新たにグループ入りした関西アーバン銀行、みなと銀行を入れた5行に取り扱いを拡大。寄付先はアスリートや学生の社会活動団体などで、最低受託額は5000万円となる。

高まる設備投資意欲

  一方で、景況感について、東社長は「顧客の設備投資意欲は上がってきている」との見方を示した。前期(2017年度)決算発表資料によると、3月末の貸出金残高は傘下3行合算で約29兆円と前年同期比2%増だったが、伸びの大部分は中小企業(5.6%)だった。東社長によると、前期の法人融資の使途では設備資金が同9%増と、16年度(同5%増)から急伸しているという。

  東社長は「特に物流や医療・介護業界で資金需要が強かった」と振り返り、同社のヒアリングで今期も顧客の約7割が設備投資の計画があるとしていることから「間違いなくこの流れは続く」と期待を示した。

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