南北首脳の友情の芽生え、トランプ氏の「最大限の圧力」妨げる可能性

  • 予想外の南北首脳会談は文大統領の外交関係維持への意欲示す
  • 北朝鮮への制裁実施で鍵を握るのは中韓両国

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と韓国の文在寅大統領

South Korean Presidential Blue House
South Korean Presidential Blue House

トランプ米大統領が米朝首脳会談を突然中止した後、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は話し合いの要請には確実に応じると分かっている韓国の文在寅大統領に首脳会談を呼び掛けた。

  26日の南北首脳会談は、文大統領が外交関係の維持と、北朝鮮の核計画を巡る開戦リスクの回避のために必要な行動を取る用意があることを示している。文大統領は今回の会談について、「意思疎通の難しさ」を解消する有意義な試みだったと説明した。

26日の南北首脳会談

Photographer: South Korean Presidential Blue House via Getty Images

  さらに重要な成果は、閣僚レベルの南北協議を6月1日に再開すると決めたことだ。両首脳は軍当局者会談や、離散家族再会を巡る赤十字会談でも合意。北朝鮮は今月先に、韓国との会談を無期延期にすると表明したが、26日の南北首脳会談後、「今後、より頻繁に」会うことで一致したことを明らかにした。文大統領は年内に平壌を訪れると約束した。

  現時点では、文大統領はトランプ大統領と金委員長の橋渡し的役割を果たす中立的な仲介者となっているが、長期的には、文大統領は5年の任期中に北朝鮮との平和条約締結を目指していることから、トランプ大統領にとって再び米朝協議が決裂した際に北朝鮮への「最大限の圧力」行使で障害になり得る。

  金委員長はこの3カ月で、文大統領および中国の習近平国家主席と2回ずつ会っており、文大統領と習主席は共に北朝鮮との関係強化を明言している。北朝鮮の国境の大部分が韓国と中国と接していることから、対北朝鮮制裁の実施には中韓両国の協力が不可欠だ。

  韓国統一省・外務省の政策顧問を10年近く務めているナムグン・ヨン氏は、「韓国と中国が既に北朝鮮と協議しているため、トランプ大統領が現在、ないし米朝首脳会談が中止になった時に再び北朝鮮への圧力行使は難しい」と指摘。「トランプ大統領の考えでは、大統領による『最大限の圧力』により北朝鮮が我慢の限界に達すれば、金委員長は屈服し、白旗を揚げて協議に戻るはずだった。しかし、文大統領は南北協議を再開させ、これを妨害した」と説明した。

原題:Budding Moon-Kim Friendship Risks Undermining Trump Pressure(抜粋)

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