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新興市場全体にトルコ・リラ懸念波及せず-インフレ90年以来の低水準

  • 単にトルコとアルゼンチンの問題-キャピタルEのシェアリング氏
  • 投資家のより広範な資金引き揚げには至ってない-ハマールンド氏

トルコ・リラやアルゼンチン・ペソ下落の影響が世界の金融資産に波及するという懸念を新興市場は払いのけている。

  マーク・モビアス氏ら専門家が新興市場の痛みは終わっていないと話し、ポール・クルーグマン氏は現在の不安定な状況と1990年代のアジア危機の類似点に言及したものの、マーケットは意外としっかりしている。24日の外国為替市場では、トルコ・リラが緊急利上げを受けても4%余り下落した一方、新興市場24通貨のうち16通貨が上昇した。アルゼンチン・ペソは続落した。

  キャピタル・エコノミクスのニール・シェアリング氏はリポートで、「これは『新興市場売り』や、さらに悪い『新興市場危機』では全くない。単にトルコとアルゼンチンの問題だ」と指摘した。

  その違いを説明する主なポイントは以下の通り。

通貨

  新興市場通貨で構成するMSCIの指数は、売りが出始めた4月上旬以降に約3%低下しているが、この下落率は、ほぼ2割の価値を失ったリラやペソに比べるとごくわずかだ。
  
  SEBのチーフ新興市場ストラテジスト、ペール・ハマールンド氏(ストックホルム在勤)は「トルコが実質的なデフォルト(債務不履行)、あるいは銀行が対外債務の支払いを停止すれば、投資家は新興市場からより広範に資金を引き揚げるだろうが、まだそこまで至っていない」と語った。
     

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Fragile Two

株式

  リラのより大きな変動が新興市場通貨の予想ボラティリティー指数の急伸につながる一方で、株式ボラティリティー指数は低下。これは通貨の不安が株式には波及しないというデリバティブトレーダーの見方を反映している。

          

Contained Turbulence

        

インフレ

  トルコとアルゼンチンの2桁のインフレ率がヘッドラインをにぎわせている。しかし、加重平均インフレ率が3%未満と、少なくとも1990年以来の低水準にある新興市場の中で両国は明らかに例外だ。消費者物価の伸びを巡る懸念を一因に拍車がかかったリラとペソの売りを踏まえると、インフレ環境がより良好な他の新興市場まで弱気になる理由はほとんどない。
         

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What Inflation?

より緩和的な金融政策

  インフレ指標の改善に伴い新興市場の金利は低下している。米国が金融引き締めに向かう一方、新興市場の指標金利の平均は昨年5%と、2014年の7.7%から低下。ブラジルは16年の遅くから金利を引き下げ、過去最低の6.5%となっている。

Easy Street

経済成長

  10年以降の大半で鈍化していた新興市場の国内総生産(GDP)成長率は、昨年改善した。新興市場は20年まで約5%の成長が見込まれる。同じ期間に1.8%への減速が予想される先進諸国とは対照的だ。

原題:Emerging Markets Defy Contagion Concern From Turkish Lira (1)(抜粋)

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