ドル・円が反発、米朝会談中止を受けた円買い一服-一時109円台後半

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  • 朝方に付けた109円14銭から一時109円74銭まで上昇
  • 米自動車輸入関税検討の展開次第で円高進行リスク残る-大和証

東京外国為替市場ではドル・円相場が反発。米朝首脳会談の中止を受けたリスク回避の円買いが一服する中、日本株や米金利の持ち直しを背景に一時1ドル=109円台後半まで値を戻した。

  25日午後3時21分現在のドル・円は前日比0.2%高の109円44銭。米国の3連休前の五・十日(ごとおび)で仲値のドル買い需要が意識される中、朝方に付けた109円14銭から一時109円74銭まで値を切り上げた。円は主要通貨ほぼ全てに対して下落。前日はトランプ政権による自動車輸入関税引き上げ計画や米朝会談中止を受けて円全面高となり、対ドルで一時108円96銭と今月8日以来の水準まで円高が進んだ。

  大和証券の亀岡裕次チーフ為替アナリストは、「米朝首脳会談中止については、米国が一応交渉再開の可能性を残したので、リスクオフの円高は進みにくい。中止というより延期という印象で、北朝鮮の動向を見る必要」を指摘した。一方、米国の自動車輸入関税検討を巡っては、今後の展開次第で「リスクオフに傾く可能性がある」とし、「来週もやや円高進行するリスクは残っている」と話した。

  北朝鮮は25日、トランプ大統領の米朝首脳会談中止発表は予想外であり、非常に遺憾だとした上で、いつでも米国側と会談する用意があるという同国の姿勢は変わりないとの声明を発表した。トランプ大統領は会談中止発表後、朝鮮半島で紛争が起きた場合に備えて、米軍は準備を整えていると発言する一方、「誰も心配することはない。われわれが必ず何とかする」と述べた。

  前日の米国株相場は、北朝鮮情勢が緊迫化への懸念から反落。一方、25日の日本株は下げ渋り、日経平均株価は小幅プラスで引けた。米10年債利回りは時間外取引で2.99%前後。24日の米国市場では一時2.95%と約2週間ぶりの水準まで低下していた。

  みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストは、米朝首脳会談中止について、一歩引いてみれば双方とも得るものがないため、再び交渉のテーブルに付くことになるだろうとし、「軍事衝突に向かうことはないとすると109円まで下がった相場はお買い得になるのではないか」と話した。
 
  一方、オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)マーケッツ本部の吉利重毅外国為替・コモディティー営業部長は、政治関連のヘッドラインは予想がつきづらく、トランプ大統領の発言もいつ転換するかも分からないという中で、来週は米雇用統計の発表があるものの、ドル・円は「方向感の出づらい展開になりそう」と予想した。

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