Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

TOPIXが5日続落、米朝会談中止を懸念-輸出や素材、資源株安い

更新日時
  • トランプ大統領が金委員長に書簡、6月会合は現時点で「不適切」
  • 陸運や食料品など内需セクター堅調、日経平均は反発して終了

25日の東京株式相場は、TOPIXが小幅に5日続落。米国のトランプ大統領が北朝鮮との首脳会談中止を発表、両国の融和期待が後退し、米通商政策への根強い警戒も重しとなった。自動車など輸出株、鉄鋼など素材株、原油安を受けた鉱業や商社株など景気敏感セクターが安い。

  半面、陸運や食料品株など内需セクターは堅調、株価指数の下方圧力は限られた。TOPIXの終値は前日比3.95ポイント(0.2%)安の1771.70。日経平均株価は13円78銭(0.1%)高の2万2450円79銭と小幅ながら4日ぶりに反発した。

  損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの中尾剛也常務執行役員株式運用部長は、「北朝鮮を巡るイベントは市場が確信を持って織り込めておらず、株価のベースを決めているのはモメンタムが鈍化しつつある企業業績」と指摘。海外、国内とも景気循環的に日本企業のトップラインをドライブする材料は見当たらず、「下がればバリュエーションの割安さが評価されるが、新規資金が相場全体を押し上げるムードもない。当面はTOPIX1800、日経平均2万3000円を中心としたレンジ相場が続く」との見方を示した。

トランプ米大統領

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  トランプ米大統領は24日、6月12日に予定されていた米朝首脳会談の中止を発表。北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長への書簡で、現時点で不適切との感触を抱き、シンガポールでの会談は実現しないことを伝えるとした。トランプ政権高官は、北朝鮮への圧力は最大限に達していないと述べ、追加の制裁や措置の可能性を示唆した。

  一方、北朝鮮はいつでも米国と会談の用意があると表明。きょうの日本株は早期の米朝会談が実現しなかったことを受け、朝方は売りが先行。日経平均は一時100円以上下げたが、交渉継続の可能性も残り、その後は持ち直した。

  業種別では、米国が自動車輸入の調査を開始することが引き続き懸念された、自動車の下げが継続。ゴールドマン・サックスは、5月の米自動車販売台数が前年同月比1.2%減が見込まれると予想。野村証券では、米朝会談中止の副次的影響として、対中通商交渉の場で米政府の態度が硬化し、米中通商紛争を市場が懸念する展開に注意を促した。損保ジャパンの中尾氏は、「物価高や在庫循環などからみると、足元の米国のハードデータは弱めに出る局面。通商政策問題もあり、グローバルの外需には手を出しづらい。半面、内需の安定しているところには資金が向かっている」との認識を示した。

  一方、きょうのドル・円は1ドル=109円台を維持するなど円高の勢いは限られた。大和証券投資情報部の石黒英之シニアストラテジストは、「ドル高の巻き戻しでも1ドル=109円台前半にとどまり、今期105円前提が多い企業業績の観点からはなお円安」と指摘。今春以降の上昇相場で「ようやく来た調整局面とあって、国内投資家の押し目買い意欲は強い」と言う。

  岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストはチャート分析上、TOPIXや日経平均が前日に25日移動平均線を割り込み、「5月高値が二番天井になるかどうかの警戒がある」としている。半面、堅調なファンダメンタルズには変化がなく、「25日線は上向きを維持しているため、25日線を挟んだ短期調整の可能性が高い」とも分析した。

  東証1部33業種は鉱業や海運、鉄鋼、不動産、輸送用機器、石油・石炭製品、非鉄金属、卸売、銀行など22業種が下落。原油関連はロシア高官が減産解除の協議の可能性に言及、24日のニューヨーク原油先物が1.6%安の70.71ドルと続落したことを受けた。上昇は空運や陸運、食料品、精密機器、化学、保険など11業種。売買代金上位では、総務省が月内に行政指導する方針を固めたと読売新聞が報じたソフトバンクグループ、海外で総額300億円の転換社債を発行するSCREENホールディングスが安い。SMBC日興証券が投資判断を上げたキリンホールディングスやIHI、野村証券が強気を継続したANAホールディングスは高い。

  • 東証1部の売買高は13億3317万株、売買代金は2兆2983億円
  • 値上がり銘柄数は600、値下がりは1390
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE