ドル・円が下落、米金利低下や株安でリスク回避優勢-円は全面高

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  • 午後に一時109円33銭と14日以来の水準までドル安・円高進行
  • ドル・円、5月4日安値108円65銭までの下げは覚悟-ソニーFH

東京外国為替市場のドル・円相場は下落。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を受けて米長期金利が3%台を割り込んだことに加え、米通商政策などへの警戒感から日本株が大幅に下落した中で、リスク回避の円買いが優勢となった。

  ドル・円相場は24日午後3時35分現在、前日比0.5%安の1ドル=109円50銭。朝方に付けた110円12銭から徐々に値を切り下げ、午後には一時109円33銭と14日以来の水準までドル安・円高が進んだ。円は主要通貨に対して全面高となった。

  ソニーフィナンシャルホールディングスの石川久美子為替アナリストは、「ここにきて一服していたリスク要因が全部また戻ってきている感じ」と指摘。北朝鮮問題米中関係、イタリア政局、ユーロ圏景況感などへの不安を背景に、株安・円高になっていることを挙げ、「ドル・円は、5月4日安値108円65銭までの下げは覚悟した方がよい」と述べた。

  24日の日経平均株価は大幅続落、前日比252円73銭(1.1%)安の2万2437円01銭で取引を終えた。一方、米10年債利回りはこの日の時間外取引で一時2ベーシスポイント(bp)低下の2.975%と14日以来の低水準を付けた。 

  トランプ政権は23日、乗用車とトラックの輸入が米国の安全保障を脅かすかどうかの調査を開始した。調査結果次第で自動車輸入への新たな関税導入につながり得る。

トランプ政権の自動車輸入調査に関する記事はこちらをご覧下さい。
  
  ソシエテ・ジェネラル銀行の鈴木恭輔為替資金営業部長は、「前日から典型的なリスクオフになっており、目先はいくつかの要因を注視していくだろう。トランプ政権の自動車に対する輸入関税の話を受けて保護主義懸念からドル・円は売りで反応している」と述べた。

  一方、FOMC議事録(5月1、2日開催分)によると、当局者らは、経済見通しから考えて「近く」追加利上げが適切になると予想。またインフレ率が目標から若干オーバーシュートしても問題ないとの認識を示し、より積極的な引き締めには急いでいない姿勢を示した。

  あおぞら銀行の諸我晃総合資金部部長は、「FOMC議事録は近い将来の利上げを示唆したものの、インフレが2%を超えても利上げを急がないとの姿勢を示し、ハト派と受け止められた。米長期金利が3%割れ水準なら、ドル・円は上に行く力はない。これまでの上昇が速かった分、調整の動き」と語った。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.1%高の1ユーロ=1.1709ドル。前日に一時1.1676ドルと昨年11月14日以来のユーロ安・ドル高水準を付けた。ユーロ・円相場は0.4%安の1ユーロ=128円21銭。一時127円98銭と昨年8月21日以来のユーロ安・円高水準を付けた。

  この日は欧州中央銀行(ECB)議事要旨(4月25、26日会合)が公表されるほか、プラートECB理事が講演する。あおぞら銀の諸我氏は、「ECB議事録も若干ハト派かもしれないが、金融政策正常化のスケジュールを変えるほどではないと思う」と述べた。

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