トヨタなど自動車株軒並み安い、米大統領が自動車輸入の調査指示

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  • 新たに最高25%の関税を賦課する計画を検討しているとWSJは報道
  • トヨタ、スバルの現地生産比率は5割以下、マツダは米国工場持たず
Photographer: Bloomberg/Bloomberg
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24日の東京株式市場で、自動車株が軒並み下落している。トランプ米大統領が自動車輸入の調査を指示し、結果次第では新たな関税導入につながる可能性があり、米国への輸出が多い日本の自動車各社への影響が懸念されている。

  マツダ株は一時5.8%安の1391.5円と2017年1月31日以来、トヨタは同3.3%安の7190円と3月23日以来の日中下落率、SUBARU(スバル)は同3.4%安の3463円と3月29日以来の安値。日産自と三菱自もそれぞれ一時2.2%、4.5%の日中下落率となっている。TOPIX、日経平均株価に対し、自動車株の下げ幅は大きく、輸送用機器は午前終値時点で東証1部33業種中下落率トップ。

  トランプ大統領は23日、声明で「自動車と自動車部品などの中核産業は米国の国力にとって極めて重要だ」と指摘。鉄鋼・アルミニウム輸入関税のケースと同様に、米通商拡大法232条に基づき調査を命じた。今回の北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で迅速に合意するようメキシコとカナダに圧力をかけるのが目的である可能性がある。米国への輸入車に新たに最高25%の関税を賦課する計画を検討している、と米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は先に伝えていた。

  調査会社のLMCオートモーティブによると、米国で販売している車の米国内での生産比率は16年にホンダ、ルノー・日産連合が5割を超えているものの、トヨタ、スバルは5割に満たない。

  東海東京調査センターの杉浦誠司アナリストは電話取材で、日本メーカーの米国事業は「NAFTAを前提としており、稼働はそこに支えられている」と指摘。生産に切り替えてきてはいるもののNAFTA域内からの輸入も関税の「対象になるとネガティブ」と話した。また、米国に工場を持たずメキシコと日本からの輸入に頼るマツダ、日本から輸入する割合が大きいスバルへの影響は大きいという。

  マツダの小飼雅道社長は都内で記者団に対し、「国ごとにいろいろな政策や規制があり、厳格に対応し生産していくことが責任」と述べた。今後稼働を予定する米アラバマ州の新工場について設備的には能力増強を図れると思う」としたうえで、まずは既存の能力(年15万台)を販売する力をつけるのが最優先だとした。スバル広報担当の矢野賢一氏は「個別の案件についてはコメントできない」と電話取材で説明。今後、新型車「アセント」を米国で生産予定で現地生産比率は上がる見通しだとした。トヨタの広報担当、喜多亜貴子氏は状況を注視しているとメールで回答した。
 
  世耕弘成経済産業相は記者団に対し、米政権の動きに対して「現段階では調査が開始されたばかり。まず今後の動向、動きをしっかりと注視をしてまいりたい」としたうえで、自動車のような巨大産業に包括的な貿易制限措置がかけられると「世界の市場の混乱を招くことになりかねない」と指摘。いかなる貿易上の措置もWTO(世界貿易機関)での取り決めに沿ったものであるべきということを米国側の関係者に対してしっかり伝えていきたいと話した。

(6段落と最終段落にマツダ社長と経産相のコメントを追加しました.)
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