Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

東芝の社債市場復帰に必要なのは格上げと事業展望-メモリ売却確定も

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

東芝はメモリ事業売却の確定で財務改善が見込まれるものの、社債市場復帰には投資適格の取得や将来の事業展望確立が欠かせないとの見方がある。

  不正会計問題に端を発して、原発事業の減損処理にまで追い込まれた東芝は2014年7月を最後に起債が途絶えている。そうした中、同社は今月17日、中国当局からメモリ事業売却の承認を得たと発表。1兆4500億円のメモリ事業売却収入で財務改善が見込まれ、格付投資情報センター(R&I)は発行体格付けを投機的等級では最高の「BB+」まで格上げした。

  東芝の信用力は改善しているものの、日本では実質的に投機的格付け債(ジャンク債)市場がないとして、「社債発行再開には投資適格格付けの取得が必要だ」とニッセイ基礎研究所、朝日ライフアセットマネジメントは指摘する。R&Iは、メモリ売却後に残る事業の競争力やガバナンスの改善状況などを精査して再度格上げする可能性があるとしている。実現すれば、投資適格のBBB格になる。

  しかし、同社は格付けにとどまらず、メモリ事業売却後の将来展望が問われている。ニッセイ基礎研究所の徳島勝幸金融研究部主席研究員は、東芝が仮に投資適格格付けを取得すれば「3-5年の予見可能な時間軸であれば、買える投資家も出てくるかもしれない」としながらも、「本当に長い社債は買えるのか。これから先、東芝という会社がどうなるかというビジョンがないと怖い」との見方を示した。

  朝日ライフアセットマネジメントの大芦尚広シニアファンドマネジャーも、東芝の信用力を見る上では「比較的大きな利益を稼いでいる事業部門であるメモリ事業を切り離したら、次に何が残るのかという点は重要だ」と話す。

東芝、社債の発行は14年が最後

出所:ブルームバーグ

  東芝の広報担当、沼田知之氏は「東芝NEXTプランを現在策定中であり、社債発行について具体的に決まっていることは何もない」と話す。メモリ事業売却収入が見込まれ、起債需要が現実に大きいわけではないが、R&Iのアナリスト、村瀬暢氏は「ボンド投資家がついてきてくれるというのであれば、クレジットサイドから見た東芝の回復を市場が信認しているということになるのかもしれない」とみている。

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