Photographer: Tomohiro Ohsumi

桜井日銀委員:副作用点検し「予断なき検討必要」、今は時期尚早

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  • 金融システムの不安定化に留意、政策を変える段階ではない
  • できるだけ早期の2%達成は「なりふり構わず」という意味ではない
Photographer: Tomohiro Ohsumi

日本銀行の桜井真審議委員は24日に前橋市で行った講演で、金融緩和の副作用を指摘した上で、最適な金融政策の検討の必要性を強調した。ただ講演後の会見では検討の時期について「まだ少し早すぎる」との認識を示した。

  午前の講演では、当面は現在の緩和政策の維持が適当としつつ、緩和的な金融環境が長期化することで「金融システムが不安定化することのないよう留意する必要がある」と指摘。政策決定会合では「必要に応じて、最適な金融政策の在り方について、真摯(しんし)に検討していくことが必要だと考えている」と説明した。

  需要と供給のバランスが極端に偏った状況を長く放置すると「無用に経済の振幅を拡大する恐れがある」とも強調。予想物価上昇率や長期的な経済の成長力が高まるにつれ、長短金利操作による「需要刺激効果は強まる」と説明し、「細心の注意を払いながら、必要に応じて最適な政策の在り方を予断を持たずに検討していくべきだ」と繰り返した。

  同様の懸念は10日公表された4月の金融政策決定会合の「主な意見」でも、ある委員が論じていた。黒田東彦総裁からも金融機関の経営に配慮を示す発言が増えているが、桜井委員の発言は政策委員会の中でも懸念が共有され始めていることを示した格好だ。超低金利政策が長期化する中、金融機関からも批判的な声が強まっている。

  ただ桜井氏は午後の会見では、金融機関全体としての自己資本の水準を考慮すれば、問題は「まだそう深刻ではない」と述べた。現時点では「政策を変える段階ではない」とも説明。需要と供給のバランスを示す需給ギャップがマイナスに陥れば、「ある程度それに応じた政策を取らざるを得ない」と述べ、必要なら追加的な措置に踏み切る必要性にも言及した。

  講演では、2%物価目標をできるだけ早期に達成するとの方針は「なりふり構わず、やみくもにという意味ではありません」とした上で、「物価が上昇しても、結果として経済の健全な発展が阻害されるようでは本末転倒」と話した。

  桜井氏は2016年4月に審議委員に就任し、同年9月の長短金利操作付き量的・質的金融緩和の導入に賛成した。物価は足踏みしており、日銀が目指す2%上昇は遠い。4月の経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、「19年度ごろ」としていた目標達成時期が削除された。

(会見内容などを追加して差し替えます.)
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