ヘッジコスト高くても米債は買い、将来は値上がり益も

  • FRBは利上げペース鈍化が不可避、米長期金利はやや低下へ
  • 足元は金利収入、先行きは「キャピタルゲインを得る大きな余地」
Photographer: Tomohiro Ohsumi
Photographer: Tomohiro Ohsumi

円換算で約100兆円を運用する米インベスコは日本の投資家にとって米国の債券は買いだとみている。為替ヘッジコストは高水準だが、米長期金利のさらなる上昇は見込めず、足元の比較的高い金利収入と先行きの値上がり益を得る好機だと考えているからだ。

  債券部門のチーフストラテジスト兼マルチセクター運用の責任者を務めるロブ・ワルドナー氏(アトランタ在勤)は21日、都内でのインタビューで米国への投資について「短期的にはヘッジコストが重荷だが、国債も投資適格級の社債も利回りが高い」と指摘。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ見通しは米経済の実力と比べて行き過ぎで、下方修正が避けられないと予想。将来的には「キャピタルゲインを得る大きな余地がある」と話した。

  米10年物国債利回りは18日に3.126%と2011年7月以来の水準に上昇。ただ、FRBの利上げを受けて上昇した為替ヘッジコストを差し引くと0.5%前後と、日本の20年物国債利回りとほぼ同程度にとどまる。FRBの最新の政策金利見通し(中央値)は現在の1.5-1.75%を今年あと2回、来年3回、20年にも2回引き上げることを示唆している。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想では米10年国債利回りは今年末に3.18%、来年末に3.47%が見込まれている。

  ワルドナー氏はFRB利上げ見通しが人口の高齢化や生産性低下も加味した米経済の実力と比べて行き過ぎており、インフレ率は今年末に1.9%にとどまると予想。「FRBは利上げペースを緩め、長期金利は3%にやや低下するだろう」と述べた。米経済は景気サイクルの「中盤の後期」にあるため、金融政策の正常化を背景に金利が上昇に向かう欧州や日本銀行の金利コントロール下で低水準にとどまる日本とは異なる金融環境だとした。

  また、当面の投資先としては、米国のバンクローンやモーゲージ債など変動金利型の商品も、もう1つの「魅力的な選択肢」だと指摘。「LIBORに連動するため、短期市場金利の上昇でヘッジコストが上がれば、利回りも一緒に上がっていく」と説明した。

  新興国の債券市場については、FRBが利上げペースを鈍化させれば米長期金利とドル相場の上昇は起きないため、「パフォーマンスは盛り返し、高収益が期待できる」と言う。中国の債券は人民銀行の利下げも予想され、今後も高い収益が期待できるとみる。「トルコやアルゼンチン、ベネズエラなど一部の国を除き、押し目買いの好機だ」と語った。ただ、FRBが利上げペースを維持すれば、打撃を被るだろうと述べた。

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