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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本株2カ月ぶり大幅安、米保護貿易や円高警戒-自動車中心広く売り

更新日時
  • 米政権は自動車輸入の調査を開始、輸送用機器は業種別下落率1位
  • 米長期金利は3%割れ、為替は1ドル=109円30銭台へ円が上昇
Pedestrians waiting to cross a road are reflected in an electronic stock board outside a securities firm in Tokyo, Japan, on Wednesday, Oct. 18, 2017. As Prime Minister Shinzo Abe's ruling party heads for what polls suggest will be its best national election result in more than three decades, Japan's stock market has surged to heights not seen since before the financial crisis.
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

24日の東京株式相場は続落し、下落率は2カ月ぶりの大きさ。米国トランプ政権が自動車輸入の調査を開始し、保護貿易への警戒感が高まった。米金融当局が利上げを急がない姿勢も確認、為替の円安期待も後退し、自動車株を中心に輸出や素材、金融セクターと幅広い業種が安い。

  TOPIXの終値は前日比21.66ポイント(1.2%)安の1775.65と4日続落、日経平均株価は252円73銭(1.1%)安の2万2437円01銭と3日続落し、両指数とも連続安記録は2018年度に入り最長。TOPIXの下げ幅と下落率は3月23日(62.45、3.6%)以来。

  アセットマネジメントOne運用本部の柏原延行チーフ・グローバル・ストラテジストは、「米政権が自動車輸入に関し『安全保障』を理由としたことは意外だった」と指摘。「『貿易不均衡』なら防衛品目購入などで日本が全体として輸入量を増やせば対応できるが、安全保障の場合は自動車という特定の品目に問題があることになり、解決が難しい」との見方を示した。

President Trump Departs The White House For Travel To New York

トランプ米大統領

Photographer: Eric Thayer/Bloomberg

  トランプ米政権は23日、乗用車とトラックの輸入が米国の安全保障を脅かすかどうかの調査を開始した。鉄鋼・アルミニウム輸入関税のケースと同様、米通商拡大法232条に基づく調査となる。関係者によると、調査結果次第で自動車輸入に最大25%の追加関税を検討する。

  アセットOneの柏原氏は、「一企業では対応が決められない問題。国内政局が混乱する中、外交的な問題に対し日本が政治的リソースを割けられるのか、懸念が強まる」と言う。同氏によると、日本で自動車産業に直接・間接従事する就業人口は全体の約8%、製造品出荷額は全製造業の約18%、設備投資では主要製造業の約22%に達する。きょうの日本株市場では、完成車・部品メーカーにとどまらず、機械など設備投資関連や鉄鋼といった素材メーカーまで連想売りが広がった。

  為替動向もマイナスに働いた。5月1、2日のFOMCで当局者らは、経済見通しから考え近く追加利上げが適切になると予想したが、インフレ率が目標から若干オーバーシュートしても問題はないとし、より積極的な引き締めには急いでいないことを示唆した。23日の米10年債利回りは2.99%と7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下。貿易問題への懸念も重なり、きょうのドル・円は一時1ドル=109円30銭台と、前日の日本株終値時点110円50銭からドル安・円高方向に振れた。

  野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「米国の金融当局者は景気が良いからインフレ率が上がるのは普通で、今の段階ではインフレを抑えなければならないとは思っていない。すぐにブレーキを踏むわけではないことが確認された」と指摘。景気が良好な中、米金利が緩やかにしか上がらないことは「米国株には追い風」としつつ、米長期金利が3%超えの後に反落し、ドル高につながりにくいため、「日本株には影響が弱めに出やすい」と話した。

  東証1部33業種は輸送用機器、海運、非鉄金属、機械、鉄鋼、ゴム製品、パルプ・紙、証券・商品先物取引、保険など31業種が下落。上昇は医薬品と陸運の2業種。自動車を含む輸送用機器は下落率、TOPIXの下落寄与度双方で1位。

  売買代金上位では、モルガン・スタンレーMUFG証券が目標株価を下げた安川電機、野村証券が投資判断を中立に下げた日本ペイントホールディングス、既存店売上高が落ち込んだしまむらが安い。半面、独自の仮想通貨採掘マシンを6月に発売するGMOインターネット、SMBC日興証券が目標株価を上げたセイノーホールディングス、NTTが新中期経営計画で株を買い戻すとSMBC日興証券が予想したNTTデータは高い。

  • 東証1部の売買高は15億3924万株、売買代金は2兆6060億円
  • 値上がり銘柄数は445、値下がりは1568
    輸送用機器指数の推移
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