ソフトバンク出資の韓国クーパン、財閥のネット強化で苦戦強いられる

  • 資本力に勝る財閥企業がオンラインへ経営資源シフト
  • クーパンは資金的な余裕がなくなりつつある-ハナ金融投資のパク氏

ソフトバンク孫正義社長

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

ソフトバンクグループが2015年に10億ドル(約1100億円)出資した韓国の電子商取引企業クーパンは、個人に合わせたサービスの最適化で人気を集めている。ただ、資本力に勝る韓国の財閥企業がオンラインで優位に立とうと経営資源を実店舗のビジネスからシフトする中、アナリストはクーパンの資本力を疑問視している。

  クーパンは売上高が増加する一方でコストも膨らみ、17年は6380億ウォン(約650億円)の損失を計上した。SKロッテなど複合企業が支援する小売業者は好調な実店舗からの資金を元手にウェブを強化し、創業8年のクーパンを締め付けている。

  ハナ金融投資のアナリスト、パク・チョンデ氏は「クーパンは資金的な余裕がなくなりつつあるが、大手には余裕がある」と指摘。「クーパンは市場シェア獲得のためマージンを削っているものの、顧客は他社のより安い価格に簡単に流れてしまうため、囲い込みにつながっていない」と語った。

  ユージン投資証券によれば、クーパンは約18億ドルをベンチャーキャピタルから調達したが、財閥は豊富な自己資金を有する。ロッテが今後5年間で3兆ウォンを投じてオンライン小売事業を強化する計画のほか、小売り大手の新世界グループのイーマートは少なくとも1兆ウォンの投資を受けている。
         

Online Boom

South Korea's shopping transactions online have been increasing every year

Source: Statistics Korea

  
  ハーバード経営大学院を中退したキム・ボム氏が創業したクーパンは、米グルーポンに似たスタイルのウェブサイトでスタート。現在はオーガニック食品から家電製品までさまざまな商品を扱っている。商品自体を販売するほか、第三者が出品する商品の取引を仲介する点で米アマゾン・ドット・コムのビジネスモデルに似ている。

  キム氏にインタビューを依頼したが、今のところ返答はない。クーパンの担当者は公表を前提としたコメントを控えた。

  同社の届け出によると、ソフトバンクの出資以後、クーパンの年間総売上高は1.1兆ウォンから2.7兆ウォンに拡大した。ただ、同時に15-17年の期間に1.7兆ウォンの営業損失を計上している。同社は将来の新規株式公開(IPO)を前に利益を出すよりも、顧客基盤の拡大を優先しているため赤字は想定内だと説明。ロールモデルとして創業から何年にもわたり赤字が続いたアマゾンに言及する。

  メリッツ総合金融証券のアナリスト、ヤン・ジヘ氏(ソウル在勤)は「クーパンが継続的に外部資金を引き付けことができるかどうかが重要な問題だ」と述べた上で、「クーパンが大いに関係する価格競争をきっかけに、電子商取引市場は危機的状況にある」と語った。

原題:Harvard Dropout’s Startup Loses Billions in Fight With Chaebol(抜粋)

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