ドル・円下落、米朝首脳会談への不透明感が重しに-110円台前半

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  • 早朝にはトルコリラ・円の急落も話題、ドル・円の押し下げ圧力
  • 米朝情勢を嫌気も米長期金利3%維持が下支え要因に-CIBC

東京外国為替市場のドル・円相場は下落。米朝首脳会談についてトランプ米大統領が懐疑的な見方を示したことが背景となり、円は主要通貨に対して全面高となった。

  ドル・円相場は23日午後3時29分現在、前日比0.4%安の1ドル=110円42銭。早朝にトルコリラ・円が証拠金取引のロスカットとみられる売りで急落する中、リスク回避の動きも意識され、ドル・円に売り圧力が強まった。午後にかけては、日本株の下落とともに110円38銭まで下値を拡大。その後の取引では110円40銭前後から110円50銭前後の小動きに終始した。

  CIBC証券金融商品部の春木康部長は、ドル・円相場について「米朝首脳会談に対する不透明感が尾を引いて、円高・株安につながっている」と説明。一方で、米10年国債利回りが3%台で定着していることから「国内外関わらず買いたい意欲は強そうだ」と指摘した。

  トランプ米大統領は22日、6月12日に予定されている北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との会談の実現に、懐疑的な見方を示した。ドイツ証券外国為替営業部の小川和宏ディレクターは、「北朝鮮問題と米中貿易交渉は関連しており、最終的には国防も絡んでくる」と指摘。「トランプ大統領は米中間選挙に向けていろいろなことを変えようとしており、北朝鮮、中国の対応を見なければいけない」と述べた。

米朝首脳会談に関するトランプ大統領の発言はこちら

  トルコリラは東京時間の早朝に対ドルと対円で過去最安値を更新した。ドルに対しては一時前日比約3%安の1ドル=4.8203リラ、円に対しては3%安の1リラ=22円96銭を付けた。

  外為どっとコム総研の神田卓也取締役調査部長は、トルコリラの急落について「市場が薄い時間帯でトルコリラ・円で証拠金に絡んだロスカットが動きをけん引した」と説明。ただ、「追加で売り材料が出たわけではないが、買い戻す材料もないということで、トルコリラ売りのモメンタムが続いている」と指摘した。

トルコのエルドガン大統領のインタビュー記事はこちら

  インフレ率の高いトルコでは6月24日に大統領選が行われる。市場では、利下げに踏み切ればインフレ低下につながるとするエルドガン大統領が15日のブルームバーグとのインタビューで「自身が金融政策により責任を担うだろう」と発言したことなど受けて、選挙後の相場環境に懸念が広がっている。トルコリラの対ドル相場は14日終値との比較で約9%、対円は約8%それぞれ下落している。

  FXプライムbyGMOの柳沢浩カスタマーコンサルタントは、トルコの選挙動向と相場の見通しについて、「対抗勢力が出てきているものの、エルドアン大統領が負ける感じではない。リラ安の方向性が変わるとも思えない。インフレ率が高いにもかかわらず、大幅に利上げできず、トルコ安が止まる感じはしない」と みている。

エルドアン大統領の発言を受けたトルコ債相場の記事はこちらをクリックしてください

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