Photographer: Matthew Staver/

米国の地方紙が直面する厳しい現実-ヘッジファンドが主導権握る

  • デジタル時代に苦戦する地方紙、投資会社が相次いで所有権取得
  • ファンドはコスト削減のノウハウ導入、ジャーナリストが抗議行動も
Photographer: Matthew Staver/

米ニューヨーク市にあるヘッジファンドの複数のオフィスの外で、ジャーナリストのグループが抗議行動を繰り広げた。その光景は、米国の地方紙を取り巻くほとんど知られていない現実を浮かび上がらせていた。それは、水面下で金融機関が切り札を握っているケースが多いということだ。

  アルデン・グローバル・キャピタルやフォートレス・インベストメント・グループなどの投資会社が、デンバー・ポスト紙やプロビデンス・ジャーナル紙などオンライン世界への対応で苦戦する地方新聞社の所有権を取得。2008年の金融危機以降、多額の債務を抱えた幾つかの新聞社系列の再編を支援するため、ファンドがコスト削減のノウハウを導入している。

  しかし、所有構造が変化する中、投資会社は再び採算を取れるようにすることで地方紙を救う手助けが本当にできるのか、あるいは破綻に追い込むつもりなのかという新たな疑問が生じている。今月初め、アルデン・グローバルのオフィスの外で実施された抗議行動に参加するためデンバーやセントポールなどの町を訪れたジャーナリストらは、後者であると確信している。一部のアナリストらも同じ意見だ。

  ベテランの新聞アナリストで、ウェブサイト、ニューソノミクスの社長のケン・ドクター氏はアルデン・グローバルについて、「新聞事業に再投資はしていない」と指摘。「新聞事業は死に絶えつつあり、ファンドはその過程でできる限りもうけるつもりだ」と述べた。

  ここ数年、ヘッジファンド数社が新聞の世界で力を握ってきている。アルデン・グローバルは現在、子会社のデジタル・ファースト・メディアを通じて約60の日刊紙を保有。プライベートエクイティ(PE、未公開株)投資会社のフォートレスが運営し、経営権を握るニュー・メディア・インベストメント・グループは、オハイオ州コロンバスやロードアイランド州プロビデンスなどより小規模な町で約150紙を保有している。ヘッジファンドのチャタム・アセット・マネジメントは、シャーロット・オブザーバー紙とマイアミ・ヘラルド紙を発行するマクラッチーの大口の株主・社債保有者の一角を占める。

  アルデン・グローバルにコメントを求めたが、回答は得られていない。フォートレスの広報担当者は、同社はニュー・メディアの日常業務で何ら役割も担っていないと説明した。マクラッチーのクレイグ・フォーマン社長は、チャタムがマクラッチーの運営上の決定に影響を及ぼすことはないと文書で回答した。
  
  アルデン・グローバルは地方紙のオーナーの中で、最も厳しい人員削減を実施している企業の一つだ。4月には、過去8年間で約200人から100人未満に縮小されたデンバー・ポスト紙がさらに30人の削減を指示され、従業員らがアルデン・グローバルを公に非難。1月には、フォートレスが出資するゲートハウス・メディア傘下のフロリダ・タイムズ・ユニオン紙が従業員の10%に当たる二十数人の削減計画を発表した。その1カ月前には50人分のポスト削減方針を示していた。4月にはマクラッチーがサクラメント・ビー紙でジャーナリスト15人を削減した。

原題:Hard Truth at Papers Across America: Hedge Funds Are in Charge(抜粋)

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