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日本株続落、米朝融和に黄信号-景気敏感セクター売られ一時300円安

更新日時
  • トランプ米大統領、北朝鮮との首脳会談実現に懐疑的見解
  • 為替は1ドル=110円30銭台へ円強含む、米株先物やアジアも軟調

23日の東京株式相場は先物主導で続落。米国と北朝鮮の融和ムードが後退、為替の円高推移も嫌気され、業績の先行きを懸念から機械など輸出株、非鉄金属など素材株、海運株など景気敏感セクター中心に幅広く下げた。原油市況の反落で鉱業や商社など資源株も安い。

  TOPIXの終値は前日比12.26ポイント(0.7%)安の1797.31と3日続落し、11日以来の1800ポイント割れ。日経平均株価は270円60銭(1.2%)安の2万2689円74銭と続落し、下げ幅は一時300円を超えた。

  りそな銀行アセットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・マーケット・ストラテジストは、「ことしの相場の特徴は上がる時はゆっくりだが、下がる時は大きく下がる。今期のコンセンサス予想の5ー7%増益に比べると、貿易戦争や新興国不安など大きなリスク要因があり、この非対象が原因」との見方を示した。米朝会談は条件交渉の過程にあり、日本株は「上昇してきた反動が出ている」と言う。

米韓首脳

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  トランプ米大統領は韓国の文在寅大統領との会談で、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長との会談について「うまくいかない可能性はある。かなりの可能性がある」と述べ、実現に懐疑的な見方を示した。きょうのドル・円は午前半ばから円が買われ、一時1ドル=110円30銭台までドル安・円高が進行。アジア時間23日の米S&P500種Eミニ先物も軟調だった。

  きょうの米市場では5月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表される。米金融当局の現状認識を確認したいとの姿勢も強い中、中国やマレーシア、フィリピンなどアジア株もさえない。

  6月に予定される米朝首脳会談については、非核化の定義に関する認識の違いが障害となっている可能性がある。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「このままいっても実のある会談にはならない」とし、延期を予想。両国の融和ムードがいったん後退すれば、「中東情勢に対する歯止めが効かなくなり、さらに地政学リスクが高まりかねない」と懸念を示した。

  4月以降は順調に回復してきた日本株だったが、TOPIXで1800、日経平均で2万3000円の節目を回復して以降は上値の重い展開だ。大和証券の高橋和宏株式ストラテジストは、「日経平均2万3000円や1ドル=111円でいずれも戻り一巡感があり、マイナスの話が出ると先物主導で弱くなりやすい」と言う。6月は米朝会談やFOMCなど重要イベントを前に先物・オプションの特別清算値(SQ)算出があり、需給面からも不安定化しやすくなっている。

  東証1部33業種は鉱業や石油・石炭製品、海運、非鉄金属、卸売、鉄鋼、機械、ガラス・土石など31業種が下落。鉱業などは、石油輸出国機構(OPEC)が生産量を引き上げる可能性があるとの一部報道を材料に、22日のニューヨーク原油先物が0.2%安の72.13ドルと反落した影響も受けた。空運とサービスの2業種のみ上昇。

  売買代金上位では、中期経営計画への失望売りが続くソニー、大和証券が投資判断を下げた日本精工、受け渡し検査問題での社長会見の情報が市場に伝わった日本ガイシが安い。ガイシが午後3時に発表したところでは、検査を契約通り実施していなかった事例が判明した。これに対し、ジェフリーズが買い判断に上げたリクルートホールディングス、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が強気判断としたルネサスエレクトロニクスは高い。

  • 東証1部の売買高は14億8761万株、売買代金は2兆5421億円
  • 値上がり銘柄数は800、値下がりは1182
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