米朝首脳会談、中国の習主席が合意の先行きを左右-強い影響力で

  • 中国だけがアメとムチを使う分けることができる
  • 中国はこの地域を安定させる役割を果たしていると北京シンクタンク

習近平国家主席

Photographer: Qilai Shen/Bloomberg
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長は来月、核戦争回避につながり得る合意を目指し交渉を行う。しかし、仮に合意が成立したとしても、最終的にうまくいくかどうかは中国の習近平国家主席にかかっている。

  北朝鮮の最大貿易相手国である中国による国連の対北朝鮮制裁決議の履行は、金委員長を交渉のテーブルに着けることに寄与し、トランプ大統領の「炎と怒り」の脅しから北朝鮮を守る一助ともなった。米朝首脳会談を来月12日に控え、習主席は現在、中国にとって有利な合意を支持し、不利益な内容は実質退けられる立場にある。

  中国は既にこうした影響力を通商協議に生かしているようだ。先週、北朝鮮が米朝首脳会談の開催を再考する必要性に言及すると、トランプ大統領は習主席が金委員長に対し、より強硬な対米姿勢をとるよう促した可能性があると発言した。米中両国は19日、貿易を巡る争いの「休戦」を宣言、北朝鮮問題に集中できるようになった。

  中国は今後、難しい綱渡りを迫られそうだ。同国は戦争や北朝鮮の体制崩壊を招かないよう、米朝会談を繰り返し求めてきた。体制崩壊に至れば経済が壊滅的打撃を受けて難民問題が発生、国境に米軍が配備される事態が起こり得るためだ。一方で、北朝鮮が米韓と接近し、中国の安全保障を脅かす懸念が強まる事態も避けたい。

  北京に拠点を置く盘古シンクタンクの上級研究員、岳立氏は「米韓両国が交渉プロセスへの中国の影響力を弱めようと画策したとしても、習主席と金委員長の最近の2回の会談は中国とその支持が不可欠であることを証明した」と分析。「シンガポールでの交渉の場に中国はいないものの、中国はこの地域を安定させる役割を果たしている」と説明した。

  中国だけがアメとムチを使い分け、米朝合意を成長に導くことも決裂させることもできる。中国は北朝鮮の2015年総輸入の85%を供給するなど、北朝鮮経済に強い影響力を持つ。従って合意の一環として北朝鮮に提案される経済的誘因には中国の支持が不可欠になる。

原題:Xi Jinping Can Make or Break Any Deal Between Trump and Kim (1)(抜粋)

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