大和証券は欧米でバンカー採用を計画、海外M&A強化で収益拡大へ

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  • 国内でもアドバイザリー業務の人員を7割増へ-中田社長
  • 「トップラインを拡大する時期に入った」-インタビューで語る
Photographer: Kiyoshi Ota

大和証券グループ本社が欧州と米国でバンカーを採用する計画であることが分かった。外国企業同士の合併・買収(M&A)の助言業務を強化する方針で、収益拡大を狙う。

  大和証Gの中田誠司社長(57)はブルームバーグの取材に対し、現在300人規模のM&A陣容を持つ欧米で、化学やヘルスケア産業分野などでバンカーを採用していく考えを明らかにした。日本でも助言業務に携わる人員を今後6年程度で7割増やす構想だ。

  同社は昨年、米国でM&Aブティック2社を買収したばかりだが、フィープール最大の欧米地域で、バンカーの補充や優秀な人材との入れ替えを行う。これによりM&A規模5億ユーロ(650億円)以下の中型案件の獲得を目指していくという。

  中田社長は、海外拠点が8四半期連続で黒字になったことで、会社として「トップラインを拡大する時期に入った」との認識を示した。その過程で海外事業は「重要になってくる」と述べ、ミドルキャップへの助言業務でトップを目指したいと語った。

Hiring Again

After cutbacks, Daiwa added staff abroad in the past two years

Source: Daiwa Securities

Note: Headcount outside of Japan as of March 31

海外パイプライン

  大和証Gは7月、米投資銀行シグナル・ヒルの買収と、すでに出資している米セージェントの完全子会社化を発表した。欧州では2009年に買収を実施し、ロンドンでM&A助言を行っている。欧米間のクロスボーダー案件は「今までは全く手付かずだった」が、米国での買収により今は案件が何件か来ているという。

  中国について中田氏は、同市場での業務を強化するため、選択肢の一つとして合弁会社への過半出資に向けパートナーを探しているという。野村ホールディングスやUBSグループは今月、中国当局に申請を行った。

豪州で不動産投資も

  中田社長はまた、3月末時点で1200億円の残高があるプリンシパル・インベストメント業務に関し、ロンドンで投資を始めたほか、オーストラリアの不動産投資も検討していることを明らかにした。今後は海外投資にも注力していく方針だ。

  リテール業務では、富裕層向けビジネスを拡充していく。同社では現在、支店などにいる約4000人の営業マンが会社経営者などに応対しているが、相続コンサルタントを今年度中に約120支店全てに配置するほか、75歳以上の顧客を専門に担当するフィナンシャルプランナーを今後2年程度で全店に置く計画だ。

  大和証Gではウェルスマネジメントで50人、プライベートバンキングでは80人の体制となっているが、中田社長は「まだまだ富裕層のカバレッジは拡大の余地がある」とみている。

奨学金を肩代わり

  ビジネス以外では、大和証Gは新卒社員を対象に、奨学金サポート制度を導入することを検討している。奨学金を受ける大学生が増える中、自社の社員が返済などを心配せず仕事に専念する仕組みをつくる。

  具体的には同社が奨学金を全額肩代わりし、返済する。社員は5年間の猶予後、無利子で元本分を会社に返済していく。早ければ今夏にも実施するという。

  中田社長は22日、アナリストや投資家向けに経営戦略説明会を開催、収益向上策などについて語った。新規株式公開(IPO)業務では、国内の陣容を今後6年間で約1.5倍に拡充するという。現在は公開引受部などで約90人が同業務にあたっている。

英語記事:Daiwa to Hire Bankers for M&A Advisory Push in Europe and U.S. (1)

(第10段落以降にその他の施策について追加しました.)
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