Photographer: Chung Sung-Jun/Getty Images AsiaPac

ヘッジファンド3社はドルに強気、ウォール街アナリストに対峙

  • IPMとミレニアム・グローバル、リコンはドル高継続を予想
  • ウォール街のアナリスト、ドル回避を投資家に勧める

ドル相場の3年ぶりの強い動きはまだ続くのかという見通しを巡って、ヘッジファンド3社と米ウォール街のストラテジストが対峙(たいじ)している。

  IPMインフォームド・ポートフォリオ・マネジメント、ミレニアム・グローバル・インベストメンツ、リコン・カレンシー・マネジメントは、5週間で4.4%上昇したドルの回避を投資家に勧めるセルサイドのアナリストとは反対の立場だ。

  リコンのマネジングディレクター、ピーター・ジェイコブソン氏(シンガポール在勤)は、米国の財政・経常赤字の拡大を巡る懸念がドルの長期見通しに暗い影を落とすものの、この全体像を過度に意識するあまり一部の投資家は既に最近のドル高を逃していると指摘。「人々は恐らく5年から10年先を見据え、米国のバランスシート全体が悪化し、双子の赤字がどう爆発するのかに注目している」と述べ、「かなり先の話について市場はあまりにも従順だ。米国の赤字は問題になるだろうが、それはまだ先だ」との見方を示した。同氏はユーロ・ドル相場が今後数カ月で1ユーロ=1.15ドルと、現在の水準からドル高・ユーロ安が進むとみている。

  ジェイコブソン氏のドル高を見込んだ賭けでリコン・ストラテジック・プログラムの年初来リターンはプラス8.8%と、シティグループがデータを取る外国為替取引プログラム24本の中で2番目に高いパフォーマンスを挙げている。同氏はドルの上昇は金利の動きに連動しているとみる。

  ミレニアム・グローバルのポートフォリオ投資責任者リチャード・ベンソン氏(ロンドン在勤)も、金利上昇がドルを押し上げるとみるマクロマネジャーの1人。無責任な米財政を懸念する同氏だが、ドルの長期見通しについては、記録的な水準に近い米国と欧州の金利差が今後数カ月にわたりドルの支援材料になる予想する。

  欧州の経済成長が減速する中でミレニアム・グローバルは4月にドルのエクスポージャーを拡大。ベンソン氏はこれを「戦術的」な動きと説明している。このポジションがその後のリターン急回復につながり、同社の主要ストラテジーは年初来のマイナスを帳消しにした。
    
  

  ウォール街の見方は正反対だ。ドル弱気派はドルの一段高を阻む要因として、米国のファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)の悪化や海外経済の底堅さ、テクニカル面での障害を指摘する。ユーロ・ドル相場についてブルームバーグが集計したアナリストの予想中央値は年内に1ユーロ=1.25ドルと、ユーロの反発を見込んでいる。

  IPMの投資戦略責任者セージ・ウーレス氏は、ドルに懐疑的な見方を一部受け入れている。IPMは最近のドル高局面でロングポジション(買い持ち)を一部縮小した。ただ、バリュエーションを懸念してポジションを縮小したものの、ウーレス氏は「相対的な観点から、ドルロングは引き続き一番大きなポジションの一つだ」と説明。「このポジションで利益を得ており、われわれは非常に満足している」と付け加えた。ストックホルムに本拠を置く同社は、ドル高を見込んだ資本配分で年初からプラス8.7%のリターンを挙げている。
   
原題:Three Hedge Fund Managers Face Down Wall Street’s Dollar Doom(抜粋)

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