石破氏:憲法9条改正、10-15年かけてもあるべき姿に-安倍案に異論

  • 総裁選への対応、国会中は明言せず-政策論争は必要との認識示す
  • 物価2%「できない目標掲げても仕方ない」と達成時期削除に理解

自民党の石破茂元幹事長は、憲法9条改正について「10年かけても、15年かけても」あるべき姿を国民に訴えて取り組むべき課題との考えを示した。改憲発議に必要な衆参両院で3分の2以上の賛同を得ることを優先して条文を作ることは「正しいやり方だとは思わない」とも述べ、党内議論の進め方に異論を唱えた。

  21日、ブルームバーグのインタビューで語った。安倍晋三首相が提唱した戦力の不保持などを規定した9条2項を維持したまま自衛隊を明記する改憲案は、2項を削除する場合と比較して「内容を曖昧にする」と指摘。首相が自らの案を実現して自衛隊違憲論争に終止符を打とうと呼び掛けていることについては「それが最優先だとはとても思えない」と述べた。

石破茂・自民党元幹事長

Photographer: Kentaro Takahashi/Bloomberg

  自民党は野党時代の2012年4月、9条2項を削除し国防軍を保持するとした草案をまとめたが、安倍首相は昨年5月、2項を維持したまま、自衛隊の存在を明記する案を提唱。石破氏は一貫して2項削除を主張したが、細田博之党憲法改正推進本部長は先月の会見で、「国民世論の理解を得られない」と述べ、首相の主張に沿った案で各党との協議に臨む考えを示した。

  石破氏は2月に9条改正私案を含む自らの見解を発表。現行9条は「全面的に書き換える必要がある」とし、自衛隊を違憲とする学説を「封じ込めることが今回の9条改正の目的」とする考えは、「激変する安全保障環境から目を背けることに他ならない」と指摘していた。

総裁選

  9月の自民党総裁選では石破氏の出馬が取り沙汰されており、各社の世論調査でも次期総裁候補として名前が挙がる。12年の総裁選では党員票を含めた第1回投票でトップだったが、国会議員による決選投票で安倍首相に敗れた。地方創生担当相だった15年は立候補を見送った。

  石破氏は総裁選への対応について、国会開会中は審議中の法案の「成立を妨げるようなことは一切すべきではない」と態度を明らかにしなかった。ただ、党内には憲法、外交、社会保障、財政などの重要政策を巡り、「いろんな考え方があるはず」と指摘。複数の候補者が出馬して政策論争を行うことが「組織としてあるべきことだ」とも述べた。

  FNNが19、20日両日に実施した調査では、次の総裁にふさわしいのは石破氏が25%とトップで、小泉進次郎筆頭副幹事長が23.3%、安倍首相が22.4%と続いた。朝日新聞が同時期に行った調査では安倍首相が27%、石破氏が25%。読売新聞の18-20日の調査では、小泉氏が32%で最も多く、安倍首相と石破氏が各23%と並んだ。

金融政策

  安倍政権の下で日本銀行が進めた異次元の金融緩和については、「いつまでもどこまでもできるわけではない」と懸念を示す一方、経済への影響を考慮すると急な政策転換は「難しい」との認識を示した。

  日銀が先月27日の金融政策決定会合で「2019年度ごろ」としていた物価目標2%の達成時期を経済・物価情勢の展望(展望リポート)から削除したことについては、「できない目標をいつまでも掲げていても仕方がない」と述べ、「修正は賢明なこと」と評価した。

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