日本をしのぐ上海と北京、井戸水をくみ上げる農村-中国の格差社会

  • 1人当たりのGDP番付、上海9位、北京10位-日本は26位
  • 数年後に中国ミドルクラスの顧客6億人に-スターバックスCFO
Photographer: Luke MacGregor/Bloomberg
Photographer: Luke MacGregor/Bloomberg

中国経済は一枚岩ではない。一部の所得指標によれば、上海と北京の住民の豊かさはスイスとほぼ同じだが、グアテマラに近い生活水準の地域もある。

  中国で31ある1級行政区(省・直轄市・自治区)の経済力には幅がある。東北部は重工業がさびれ「ラストベルト」と呼ばれる。中央部には農業地帯が広がる。そしてアリババ・グループ・ホールディングテンセント・ホールディングス(騰訊)、華為技術などの企業の支援を得て中国の「シリコンバレー」になろうとしている地域などさまざまだ。

  大都市では米テスラなどの電気自動車に乗り、画像認識技術が生み出す広告を活用する消費者もいる。自分が所有するスマートフォン上のアプリを使って買い物や支払いをする消費者は中国全土で10億人に近い。一方で、農村部にはまだ飲み水を井戸から自らの手でくみ上げなければならない住民もいる。

  域内総生産(GDP)で見ると、購買力調整後の1人当たりGDPは昨年、上海と北京で5万3000ドル(約590万円)を上回った。スイスや米国と同様の水準だ。

  国際通貨基金(IMF)と中国国家統計局からのデータをブルームバーグが分析したところによると、人口300万人以上の国・地域を対象とした1人当たりのGDPランキングで、上海は9位、北京は10位。首位は8万5500ドルを超えるシンガポール、日本は約3万9000ドルで26位。

  中国南部の貴州、雲南両省そして北部の甘粛省では、昨年の1人当たりGDPが1万ドルに届かなかった。ウクライナやエルサルバドル、グアテマラの水準だ。だが3省を合わせた人口は1億1000万人と日本の総人口に迫り、3省の潜在力は極めて大きい。

"Uneven" Progress in the Past 10 Years

China's provincial-level economies had varying degrees of success the past decade. Tianjin was fastest-growing among the top five by GDP per capita. Guizhou and Tibet led the low-income group.

Notes: GDP per capita on PPP constant 2011 international dollar terms

Sources: Bloomberg, IMF

  米スターバックスのスコット・モー最高財務責任者(CFO)は、雲南省のコーヒー栽培地域への投資が同社と地域への恩恵になると確信していると明言。UBSが3月に開いた消費者と小売りに関する会議で「数年後には中国ではミドルクラスの顧客が6億人になるだろう」と述べた。

  中国国家統計局によれば、都市化率は全体で59%。最も人口の多い省である広東省は70%で、都市化が最も進んでいる。国連によると、米国では82%、タイは50%、インドは33%だ。

  ちょうど10年前、上海住民の1人分を稼ぐためには、貴州省では12人が働かなければならなかった。昨年までにその格差は半分になったが、まだ開きは大きい。

原題:China’s Wealth Gap: Teslas for the Rich, Footpaths for the Poor(抜粋)

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